17話 ページ17
Aが意識を失ってから数時間が経過するも、一向に目が覚める気配がなかった。
倒れた後、病院へと運ばれ個室に入院することになった。
きっと翌日には目が覚めるはず。相澤はそう思い、その日は帰宅することにした。
深夜。
Aは夢を見ていた。
目の前に死柄木がいる。その手に、その顔に触れる。
Aは死柄木を見上げ、そして抱きついた。
A【弔…私、弔が好き。】
弔【知っている。他のやつが好きなんて言ったらどうなるか分かってるんだろう？】
A【私は…弔に出会ったその時から…弔だけの物だよ。私の個性も弔のために使うって決めたの。】
だから。
だから、もし私が弔以外にこの個性を使うことがあったら…その時は…
私を、コロして……。
Aが目を開けた。
暗闇の中、動く影が三つ。
そのうちの一つは自分くらいの背格好だった。
酷く、眠気が襲ってくる。
目を開けて居られない。視界がボヤけ、そしてそのまま意識を失った。
自分を覗くその影が、にぃっと笑った気がした。
A「ん………」
ヒ「Aちゃん、起きましたか？」
良かったです、とトガがAに声をかけた。
状況が飲み込めない。声が出るようになっている。
どうして、いま目の前にトガがいるのか理解ができなかった。
A「ど……どうして？」
ヒ「簡単です。仁くんに頼みました。病院にいるAちゃんはそのうち消えます。」
これからは、ずっとみんなと一緒です。
そうトガは言うとAを抱きしめた。
ヒ「まだ、本調子じゃないですね。もう少し休んでください。後で弔くんにも顔を見せるように伝えます。」
A「………………弔………」
もう、会えないと思っていた。
Aはずっとヒーロー側に拘束されたままなのだと。
自然と涙が溢れてくる。
トガはそんなAをみて、あやす様に頭を撫でた。
ヒ「大丈夫です。私たちはもう、Aちゃんを離したりしないです。」
だから、今はゆっくりしましょう。
トガにそう言われてAは泣くのをやめるとそのままゆっくりと目を閉じた。
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mikael(プロフ) - あすぅさん» コメントありがとうございます！のんびりペースではありますが続きも頑張って書いていきますので、お待ちいただければと思います！ (2022年1月22日 21時) (
レス) id: 081e609128 (このIDを非表示/違反報告)
あすぅ - 最初から読ませていただきました!面白かったです!続き楽しみにしてます (2022年1月21日 19時) (レス) id: 8561b5144a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mikael | 作成日時：2021年12月7日 1時
