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1話 ページ3

「入るぞ」

その言葉と同時、自室の扉が開く
資料に落としていた視線を上げ、その人物たちに目を丸くする

それから微笑み、言う

「ルシファーとルシフェルか。私に何か用かな?」

私と同じ白い髪に、蒼い瞳
見る人誰をも魅了するだろう、美しい青年たちだ

彼らの相貌は瓜二つで、顔だけでは全く判断がつかない

まぁ、雰囲気が全く違うため、見分けで困ることはないのだが

「友よ、いきなり入ってはAが驚く。彼女の返事を待ってから入るべきだ」

ルシフェルが我が創造主、ルシファーに言う

全くもってその通りだ
彼はいつも正しい

だが、その正論を創造主はものともしない

「必要性を感じない。俺に見られてまずいものでも置いているのなら話は別だが」

そう言って彼はこちらを見て皮肉げに笑う

この通り、性格が全く違う
寧ろ反対と言ってもいい

だが見たところ、彼らは良い関係を築けているみたいだ
少し微笑ましい

そんなことを考えながら、彼の問い答える

「まさか、そんなものはないよ。君だってわかってるだろう?」

私の答えに、ルシファーは鼻を鳴らしてそっぽを向いた

私たちは彼によって造り出された

彼を裏切る事ができないよう、プログラミングされている
いくら自分で思考できるとはいえ、ただの被造物だ

私が持つ感情も、言葉も、本物を模した偽物に過ぎない

私は笑って続ける

「それにしても成長したね、ルシファー。前は声すらかけなかったのに」

「お前、馬鹿にしてるだろ」

「まさか、パパを馬鹿にするわけないだろ?」

「造り直されたいのか?」

「それは勘弁」

私は両手を挙げ、降参のポーズを取る

これ以上言うと本当に改造されかねない

ちゃんと反応を返してくれるから面白いんだよなぁ
だからついつい揶揄いすぎてしまう

「けど、私が気づかなかったといって蹴ってくるのはやめてほしいな」

彼の蹴りは痛かった
何せ的確に急所を狙ってくるのだ

もう少し彼は私に優しくするべきだと思う

ルシフェルが言う

「そうなのか?友よ、暴力はいけない」

「気づかない方が悪い」

「酷いな」

ルシファーの俺様理論に笑う
だが、遂に彼の堪忍袋が切れたらしい

私を睨みつける

それに肩を竦め、私は聞いた

「悪かった。そろそろ本題に入ろう。もう一度聞くけど、私に何か用かな?」

私の問いに、ルシフェルが答えた

「四大天司についての話だ。Aの意見が聞きたい」

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うさ - 続き楽しみにしてます。 (2019年6月30日 18時) (レス) id: ef6ea16959 (このIDを非表示/違反報告)
東雲ノア(プロフ) - 表現、話の内容、書き方全てがとても好みです。久し振りに素敵な作品に出会えました。陰ながら応援してます。 (2019年4月5日 12時) (レス) id: be86295bcb (このIDを非表示/違反報告)
こまこ - 最高です。 (2019年3月24日 4時) (レス) id: 95e04e1a30 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もちもち | 作成日時:2019年3月14日 13時

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