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11話 ページ13

私は席から立ち上がり、言う

「とりあえず座りなよ。紅茶でも持ってこよう」

「ああ、ありがとう」

彼はそう言って、来客用のソファに腰掛ける

私は奥の棚からティーパックとポットを取り出す
そこで、隣にクッキーが置いてあるのが見える

これも一緒に出そう

私はその三つを器用に持ち、テーブルへと置く
彼に対面するように座り、紅茶を淹れる準備をする

それを見ていたルシフェルが、言う

「手慣れているな」

「ああ、よく飲むからね」

仕事の効率も上がるし、何より美味しい
様々な種類があるため、飽きもこない

特にベリアルの淹れる紅茶は美味しい

彼とのお茶会は今でも続いていた
最近ではオフが合わないため、仕事の合間に十分程度話すだけだが

またゆっくり、話したいなぁ

紅茶を淹れ終え、彼の前に差し出す
彼はそれを興味深く見つめてから、手に取った

一口飲んだあと、彼は美しく微笑んだ

「美味しいな」

「それは良かった」

言いながら、クッキーの箱を開く
中には様々な種類のクッキーが並んでいる

ルシフェルが聞く

「これは?」

「クッキーだよ。ルシファーから貰ったんだ」

「友から?」

「ああ、研究を手伝ってくれたお礼にくれたんだ」

普段、彼の研究の手伝いはベリアルの仕事なんだけれど
彼が他の仕事でいない時は、私が駆り出される

その日は特に体を酷使されたので、褒美が欲しいと強請ったのだ

いつもの冗談のつもりで言ったのだが、彼は意外にもあっさり頷いた
その時に渡されたのがこのクッキーだ

糖分補給のためにストックしていたらしい
片手で食べられることもあって、彼は案外気に入ってるらしい

というわけで、その内の一箱をもらったのだ

「私が食べてもいいのだろうか」

「是非食べてくれ。とても美味しいよ」

「そうか。ではいただこう」

そう言って彼は一つクッキーを摘み、食べる
彼は数度咀嚼した後、言った

「美味しいな」

「君、それしか言わないな……。まあ、お気に召したようで何よりだ」

私もそう言って、クッキーを摘んだ

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うさ - 続き楽しみにしてます。 (2019年6月30日 18時) (レス) id: ef6ea16959 (このIDを非表示/違反報告)
東雲ノア(プロフ) - 表現、話の内容、書き方全てがとても好みです。久し振りに素敵な作品に出会えました。陰ながら応援してます。 (2019年4月5日 12時) (レス) id: be86295bcb (このIDを非表示/違反報告)
こまこ - 最高です。 (2019年3月24日 4時) (レス) id: 95e04e1a30 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:もちもち | 作成日時:2019年3月14日 13時

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