不運大魔王の幸運な弟 にぃ

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夜。


A「.......」


中々寝付けなくて、僕は家の屋根に登った。

そして、屋根の上に寝転がった。


A「星が綺麗だ」


今日は晴れてて、特に暑かったから余計綺麗に感じる。


A「.......」


なんだか不思議感じだ。


いつもの家なのに、なんだか不思議。


そっか、入学して以来帰ってないからかな.....


逆に、学園でいつも寝てたから、違和感があるのかな.....


A「む.......」


やっぱり、不思議な感覚だ。


伊作「こら、また高い所に登って......」


A「兄さん.....」


寝巻きに羽織を被った兄さんが、屋根に登ってきた。


伊作「眠れないの？」


A「うん」


伊作「どうしたの？」


A「なんか、不思議な感じなんだ」


伊作「不思議？」


A「うん、いつもいた家なのに、なんか不思議な感覚があって.....それで目が覚めちゃって」


伊作「そっか....よし、僕が寝かせてあげる」


A「？わっ」


僕を抱き上げて、屋根から降りた。


伊作「ほら、僕の羽織を持ってて」


A「ん....」


兄さんの匂いだ......

落ち着く.....


伊作「Aはかわいいねぇ」


A「ん......」


ゆらゆらと揺れる兄さん。


その振動が、すごく心地いい。


伊作「ゆっくりおやすみ、A」


A「ぅん......」




最後に兄さんが僕のおでこに口付けを落とした。


そこで僕の意識が落ちた。


伊作「おやすみ、僕の可愛いA」




やっぱり、兄さんはすごいなぁ.......

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