不運大魔王の幸運な弟 にぃ

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母「A！伊作！おかえりなさいっ！」


A「母さんっ！」


僕たちの家の前に立っている母さんに抱きついた。


母「おかえりなさい、A」


A「ん、ただいまっ」


伊作「ただいま、母さん」


母「伊作、おかえりなさい」


伊作「もう、母さんでしょ。Aに忍術学園入学のことを焚き付けたの」


母「ふふ、ずっと寂しそうだったからねぇ.....何するにも一緒だったから、この際入学させちゃおうかなって」


伊作「まったく......そういえば、父さんは？」


母「今頃、熊と格闘していると思うわ」


A「相変わらずの不運なんだね」


母「そうねぇ.....さ、二人とも暑かったでしょう？中に入って休みましょう」


A「ん」


伊作「はーい」


父さんは、不運だ。

母さんは、幸運だ。


だから兄さんは、父さんに似て不運。

僕は、母さんに似て幸運。


伊作「A」


A「？」


伊作「これからは、一人じゃないからね」


A「！うんっ」


母「相変わらず仲良しね。さあ、手を洗ってらっしゃい」


A「ん、兄さん行こう」


伊作「うん」


兄さんと手洗い場へ向かった。


母「ふふ、本当に仲がいいわねぇ.....」





楽しそうに歩く二人を見て、くすりと笑みを零した母であった。

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