不運大魔王の幸運な弟 にぃ

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A「はぁ、緊張した......」


兵太夫「疲れた〜......」


舞台袖に戻り、とりあえず座った。


黒木「二人とも、お疲れ様」


A「！ありがとう、庄左」


兵太夫「ありがとう」


庄左ヱ門から、竹筒を受け取った。


A「ん.....ふぅ......」


兵太夫「んー、水が美味しい」


疲れが吹き飛ぶよ〜.....


乱太郎「みんなっ！凄いよ！」


A「乱？どうしたの？」


乱太郎「観客のみんな、泣きながら歓声と拍手してる！」


A「だからさっきからうるさいんだ」


すごく色んな声が聞こえるな〜って思ってたら、そういう事だったんだ。


土井「お前たち！」


A「土井先生」


ドタバタと舞台裏に来た土井先生。


土井「すごくいい演技だったぞ！大好評だ！」


兵太夫「嬉しいけどさ、先生の目、泣き跡すごいよ」


伊助「しっ」


A「ふふ」


たしかに、えらいぞえらいぞ〜ってみんなのこと褒めてるけど、目元の涙の跡が見えちゃって、ちょっと面白い。


黒木「頑張って作った甲斐あったね」


A「うん。僕も沢山頑張ってよかった」


きり丸「そういやAさ、最後まで悲しい演技に悩んでたけど、どうやって乗り越えたんだ？」


A「結構、空気に呑まれて泣いちゃった感はある」


きり丸「？」


A「オオカミさんの気持ちを考えて演技してたから、それを思うと、自然と涙が.....」


きり丸「ほえ〜、すげぇなぁ......」




でもやっぱり、涙の演技は大変だなって思った。

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