ベランダの恋＿2

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Aが俺のモノ捨てずにいてくれたのが
すげー嬉しくて。

どさくさに紛れてまたハグハグ。


あー、
もう一生このままでいいのに。

時間止まっちゃえ。







ふと我に返るこの状況。


ベット横のクローゼットの前で
2人で抱き合ってさ。


もう2、3歩進めば
このまま押し倒せちゃうんだけど。




って、
いかんいかん。



落ち着け玉森ー。

オオカミさんになるのはダメだわ。



目に入ってくるAのベットが生々しくて
ちょっと目をそらす。




と。



ベットサイドの机に置いてある
ゴールドのアクセサリー。



なんだ？



......ピアス？



Aって穴開けてないから
イヤリングだったよね？



少し腕を緩めてすぐ傍にある耳を確認すると、
今日もしっかりイヤリングがついてて。




｢..あ、お水。持ってくるね｣



緩んだ隙にAは冷蔵庫に行っちゃって。


生憎キッチンからここのベット周辺は死角になってるから、ちょっとそのピアスに近づく。







デザイン的に、これって男物じゃん。




つか待てよ。




これ、どっかで..........。









｢..........あ！｣





しまった。


めちゃくちゃ声出た。






｢どうかしたー？｣






つか、出るわ。






だって、これ







ミツのじゃん。







覚えてる。





ミツの店で会った時
俺めちゃくちゃ観察してたから、ミツのこと。







ちょっと待って。


ココにコレがあるってさ.....









｢裕太？お水入れたよ｣


｢...あ、うん。ありがと｣




Aからお水を受け取ると
グイッと一気に飲み干した。





｢....ごち。今日は帰るわ｣


｢え？あ、うん...、気をつけてね｣



いつもなら中々帰らない俺が
あっさり帰るとか言うからちょっと驚いてんのか不思議な顔のAは

玄関まで来た俺の後を着いてきて
革靴を履く俺の手元をじーっと見てきた。



俺が靴を履き終わって視線を上げると
見上げてくるAの視線とぶつかって。



｢..大丈夫？｣


心配そうに少し首を傾げるAに
苦しくなった。


｢ぜんぜん大丈夫じゃない｣


どんな顔すればいいか分かんないし、
きっと今はひどい顔してるだろうからAに見られたくなくて俯いた。




｢ねぇA、好きだよ｣

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