ベランダの恋＿2

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玉森side




あれから小島さんと別れて家に帰ってきた。




程よくほろ酔いだったのに
ホームでAとミツを見つけた瞬間に心がザワザワして気持ち悪くなった。




そんな俺に気づいたのか
小島さんは｢大丈夫ですか？｣って何度か声をかけてくれたけど。






玄関のドアを開けて
鞄とジャケットを放ってソファに倒れ込んだ。






つけた電気が眩しくて、
遮るように顔に腕を乗せる。





目をつぶるとさっきの光景が。




……思い出したくないのに。








Aがいつも俺に向けてくれていた
ふわふわした笑顔は
もうミツに向けられるモノになったんだ。





そんなのもうこの前から
分かってた事だったけどさ。





目の当たりにするとキツいな。









ドクドクと音をたてる心臓の音に共鳴して
なんか頭まで痛くなってきた。








寝転んだソファから動くのがだるくて
そのまま寝返りをうって体を縮こませた。









:
:








｢．．．．．っくしゅんッ｣





案の定、
昨夜はそのままソファで寝落ち。



寒すぎて目が覚めて
あっついシャワーを浴びてきたけど時すでに遅し的な。。





完璧に風邪ひいたっぽい。




おまけに夢にAは出てくるしで、
心身共にダメージ半端ない。






昼休みに入る前、
こそっと小島さんが良かったらどうぞってのど飴をデスクに置いていってくれた。





そののど飴の封を切って口に入れてから
宮田と合流して食堂へ向かう。







｢たま風邪？｣

｢んー。ソファで寝たら冷えた｣

｢昨日はあのまま解散したんだ？｣

｢するだろ｣



へぇ〜。って何か言いたそうな宮田から
定食の唐揚げを１個奪う。

けどこいつは
変わらず俺をニヤニヤしながら見てくる。



｢会ったんだよ。駅で｣

｢誰に？｣

｢．．．．．．．Aに。｣

｢あちゃ〜。何か話せたの？｣

｢反対側のホームにいた。
．．彼氏と一緒に｣

｢そっかぁ。
でも、たまも小島さんと2人だったんだよね？｣

｢まぁ．．．そう、だけど｣




言われてみればそうだよな。

でもAは今更
俺の事なんか気にしてないだろうし。




｢知らない女の子と2人でいるたま見て、
Aちゃんも何かしら思うことがあったりして｣





ないでしょ。



あれから家に着くまで
もしかしたら連絡がくるかもって僅かな望みをかけて期待してみたけど1回もスマホは鳴らなかったから。

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