ベランダの恋＿2

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｢ほんとに大丈夫？｣

｢1杯ぐらいなら飲めます｣

｢無理しないでよ？｣




北山さんが作ってくれたのは
ライチリキュールとグレープフルーツをシェイクしたものだった。




｢リキュールすっごい少しだけにしたし、
氷も多めにしてあるから｣


コースターを引いて、
綺麗な透明の小さなグラスに注がれる。



｢俺も飲んじゃお｣


北山さんも自分のグラスを用意して、
高そうな壺に入ったお酒を注いで持ってきた。




｢お待たせ。はい、乾杯｣



さっきもしたのに、とか思いながら北山さんのグラスに自分のグラスを重ねた。


意を決して久しぶりのお酒をひとくち
身体に流し込むと…



｢あれ、すっごく飲みやすい｣


ライチの爽やかな甘さと
グレープフルーツの酸味が相まって美味しい。

続けてもうひとくち。



｢もうちょいゆっくり飲んだ方がよくない？｣




北山さんの忠告を守って､
ちびちびと飲み続けた結果。









:






｢きたやまさ〜〜ん
ゆうたにあいたいよおぉぉ｣


まさかの
薄〜い1杯で完璧に出来上がってしまった私。



｢おうおう。吐け吐け。
ためとくと後で辛くなるから｣

｢ゆうたといっぱいお出かけしたかったしー
えいがもみるやくそくしたのにー
ごはんだってまたいこうっていっててー｣

｢(笑)。
まーでもまだ分かんないよ？
連絡してみたら？｣

｢そんなことしてよけいきらわれたら
きたやまさんせきにんとってくれるんですかぁ｣




はぁぁ。

もう瞼は重いし身体はふにゃふにゃしちゃうし
脳のストッパー的なものが作動しなくて
思ったこと全部口から出ちゃう。


机にベターって項垂れて
もう目を閉じたらこのまま3秒で寝れちゃいそうな程眠い。



｢....きたやまさん、ねむい｣

｢一緒に寝ちゃう？｣



あぁそうだった。

ここは北山さんのおうちだったっけ。


帰らないと。



帰ってこの気持ちいいまま寝ちゃおう。

そしたら今夜は何も思い出さずに済みそうだから。

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