ベランダの恋＿2

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｢そんなに見られると照れるんだけど｣


いつの間にか北山さんをじっくり観察ちゃってたみたい。



｢なんで北山さんが
おモテになるのか分かった気がします｣

｢ふはっ(笑)なんだそれ。つか、モテないよ俺｣

｢絶対嘘です。だっていつも、…｣


連れてる女の人違うじゃないですか〜
と言いそうになって慌ててストップ。



｢んはは。
なんとなく言いたいことは分かるけど(笑)
つーかさ、
モテてんじゃなくて俺は基本的に拒まないから｣

｢それって要するに、、誰でもいいと？｣

｢んー、まぁそんな感じ？
んで去ってく人を追うこともないしね｣

｢....なんで、そんな｣

｢昔は違ったのよ？
ちゃーんと真面目に恋愛してた。
だけど、なんか疲れちゃってさ｣



何か辛いこととかあったのかな....。

聞いていいのか分からずに黙っていると、


｢俺さ、結構重いらしい。
毎回それが理由でフラれてたし｣

｢....北山さんが？？？｣

｢そ。
あ、全然信じてねーなその顔は｣


ふふふって笑って
お酒をひとくち飲んだ北山さん。



北山さんが重くて？？
しかもフラれる側って？？


にわかに信じられなくて。





｢だってさ、1度好きになったコの事は
絶対裏切りたくないじゃん。
こーゆーのが重いって言われんだろうけど。
…つか何言ってんだオレは｣


照れ笑いしながらお酒を飲み干すと
カウンターの方に向かってグラスを振っておかわりの合図をした。


北山さんの意外な恋愛観に
驚いたし少し羨ましいと思ってしまった。



｢北山さんと今までお付き合いしてきた人は
みんな幸せな人達ですね。
そんな風に思ってもらえるなんて｣

｢どーなんだろ。結局フラれてるからね。
俺向いてないのかなーとか思ってさ。
とりあえず今は恋愛お休み中って感じだね｣


その割には
だいぶお派手に遊んでいらっしゃいますネ…



だから私にも簡単にキスしてきたし
あのキスにはまったく何の意味もなかったってことか。



なんだか理由が分かって自分の中で引っかかっていたものがストンと落ちた気がした。

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