ベランダの恋＿2

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数日後、
仕事から帰ってきてベランダの鉢植えに水やりをしていると隣のドアがカラカラと開く音が聞こえた。



｢北山さん！｣

｢お、Aちゃん。おつかれー｣

｢ちょっと待っててくださいね｣

｢んー？｣




ベッドサイドテーブルに置きっぱなしだったピアスを掴んでベランダに戻る。





｢これ、この前ベットに落ちてて｣

｢あー、Aちゃんちにあったんだ。
さんきゅ｣



腕を伸ばして、
同じく腕を伸ばしてる隣のベランダの北山さんに渡す。




｢なんだー。
またおすそ分けくれるのかと思ったのに｣

｢あっ、トマトいります？
きゅうりもできましたよ！へなちょこですけど｣

｢へなちょこならいらない(笑)｣

｢あ、……｣

｢ふははっ、嘘だって(笑)ちょーだいよ｣

｢やめときます、、｣

｢じゃあむしりに行く｣

｢えっ、無理ですって！｣

｢ふふふ、慌てすぎ(笑)｣



北山さんにからかわれてるって気付いた時には、もう北山さんは煙草に火をつけて1口目を吸いだした所だった。



夜の灯りに照らされる北山さんの横顔は、
やっぱりかっこいい。





｢......ん？｣

｢あ、、いや、、様になるなぁと思って｣

｢見とれちゃった？｣

｢はい。｣

｢返事はや。絶対嘘じゃん(笑)｣

｢いや、ほんとですよ。
かっこいいなぁって、いつも思ってます｣

｢そりゃどーも｣



ふふって笑ってまた煙草に口をつけた。



それでもまだ北山さんの方を見てると、

｢なに、また一緒に寝たいの？｣

なんて流し目まがいの視線を寄越してくる。




｢…お風呂入ってきます、おやすみなさいっ｣



そう言い残してベランダを去る時、
くすくす笑いながら｢おやすみー｣って北山さんの声が聞こえた。

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