微熱

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5時間目、机に突っ伏して
色々考えてたらいつの間にか寝てた。



｢にかいどー｣って、
前の席の千賀に起こされて顔をあげたら
とっくに授業は終わってるし。




｢ここ明日の小テストでやるって｣


千賀が
俺の教科書にチェックいれてくれる。



｢合格しないと追試あるって｣

｢へー｣



欠伸しながら
千賀の話を流し聞きしてると
グラウンドが賑やかになってくる。


2階の窓際からそのまま目線を外へ移すと
北山と生徒数人が、次の授業の準備をしていた。




北山見てるとイライラするし、
北山とA先生が話してるのはもっとイライラする。



やっぱ付き合ってんのかな。



夜、二人で会ってたし。

連絡先も知ってたし。

電話とかしてんのかな。




……ダメだ。

くそイラつく。







｢千賀、
お前年上と付き合ったことある？｣


俺の教科書に
落書きしてる千賀に聞いてみる。



｢え？ないけど｣

｢だよな…｣

｢二階堂って、やっぱりA先生？｣



ちょっと小さな声で
なんか楽しそうに聞いてくる千賀。


千賀とは
1年の頃からずっとクラスが一緒。


美術部と、バスケ部だし
性格も諸々の好みも全部反対なんだけど
なぜか気がついたら仲良くなってた。



俺の口から言ったことはないけど
まぁこれだけ一緒にいたらさすがに分かるか。





｢全然相手にしてもらえねーけど｣

｢やっぱりさ、
駆け引きが大事なんじゃない？｣

｢…かけひき？｣

｢ほら、
押してダメなら引いてみろ、的な｣

｢おぉ。なるほど｣

｢そういうのに
女の人って弱いって言うじゃん｣




昨日は、てか
さっきもだけど

さんざん押しまくっちゃってんな、俺。



学校であんなことしたら
先生もそりゃ困るし怒るだろ。



頭では分かってるつもりなんだけど、
いざ先生を前にすると止まんないんだもん。



あ、こういうところがガキなのか。




はぁ。ってでっかくため息つくと


｢二階堂！
俺はお前を応援するから！｣


って千賀がキラキラした目で宣言。

ついでに握手も要求された。





なんでそんな気合い入ってんだよって
笑えるけど



｢ありがと｣



素直に嬉しかったから
小さい声だけどちゃんとお礼を言った。

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