微熱

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月曜日、
先生に言われた通り遅刻しないで学校に来た。


俺、ちゃんと約束守ったよ。


そう言いたくて
昼休みに保健室に向かってると前から歩いてくるのはマネージャーの莉央だった。





｢...高嗣、どこ行くの？｣


｢や、別に、...下駄箱に忘れもんして｣


｢保健室じゃないの？｣




莉央のでかい目で真っ直ぐ見上げられて、
思わずうん、て頷いちゃった俺。



｢腹いっぱいんなるとさ、
ひと眠りしたくなんじゃん？｣


｢....ふーん。｣



見上げられてた目線が外されるから、
ちょっとほっとすると
そのまま莉央は


｢高嗣ってよく保健室にいるよね｣


って言ってくる。





｢だって授業だりーじゃん｣


｢ほんとにそれだけの理由？｣



今度は
自信なさげにゆっくり俺を見上げてくる。





｢....なにそれ。
どーいう意味で言ってんの？｣



顔が引きつってたかもしんないけど、
笑って誤魔化しながら逆に聞いてみる。



なんか嫌な汗が背中を伝う。






少しの沈黙のあと、


｢.....別に？。
北山先生困ってたよ。ちゃんと授業出なよね｣


そう言って莉央はスタスタと歩いて行った。





変なやつ。



なんか気づかれたのかと思ってビビった。





莉央が階段を登って行くのが見えたから、
俺も足を進めて保健室へと辿り着くからノックしてドアを開いた。








｢....二階堂くん、｣


｢せんせ、
俺今日ちゃんと遅刻しないで来たでしょ？｣



教卓に座る先生に話し掛けて、
いつもみたいに向かいの椅子に跨るように座った。



｢そうだね、｣



目も合わさずに、
先生は立ち上がって奥の棚へと移動してしまう。



....キスのこと怒ってんのかな。




｢...先生、｣




俺も立ち上がって、
先生に近付こうとするけど今度はベットの方にフイっと移動するしやっぱりこっち見てくれなくて。





｢ごめん..なさい。昨日、｣


｢忘れるから。二階堂くんも忘れて｣



すごく冷たく言い放たれる。

まるでもうこれ以上近づいて来ないでって牽制してるみたいに。






｢今だけだよ。
今だけ、特別にそう見えてるだけだよ｣





違う。





｢ドラマとかで影響受けちゃったんじゃない？
私も年上に憧れる時期あったし｣





違うって。






｢大人をからかっちゃだめだよ、二階堂くん｣


｢...全部、合ってないんだけど｣

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