微熱

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強硬手段を使って、
土曜日は先生と1日一緒に居れた。




俺は生徒だから。

色々考えて、
ヘタな事して先生を困らせるのはやめようって思った。




学校での先生じゃなくて休みの日の先生を見られたら、一緒に居られたら、その目に俺だけが写る時があれば、って思ってたのに。





最後の最後。





帰りの電車で離れたくないって思って
わざと寝たフリして寄りかかれば先生は何も言わずに肩を貸してくれる。




ふわって、今まで保健室で感じてた先生の香りが1番近くで匂って。




あ、やっぱり好きだなって思ってしまう。









目を閉じてたら本当に寝ちゃってた。


ちゃんと起きて先生を感じてたかったのに。




乗り換えの駅で起こされて、
人がたくさんいるザワザワした場所から少し離れる。






じゃあね。なんて普通に言われて
俺も気の利いた事なんて言えないからありがとうぐらいしか言えなくて。




ちゃんと学校来なさいよ、って
先生は最後まで先生なんだな。



俺はこんなに浮かれてるのに。




そう思ったら素直に
先生に会いたいから行くよ、って出てきた。





俺の本音。




ねぇ、先生はなんて言う？







少し緊張して先生を見つめてると、
何も聞かなかったみたいな顔してじゃあねって。





どうして？



何か言ってよ。




先生の中に俺なんてやっぱり1ミリもいないのかな。






悔しくて、
先生は悪くないのにイラッとして。






歩き出す先生を引き止めて振り向かせると、
学校で合う時よりもツヤツヤで綺麗なその唇が目に入って...キスしてしまった。





困らせたくないって気持ちと、
俺のことで悩めばいいって気持ちが葛藤して。





あまりにも一瞬だったけど、
触れた先生の唇はすごく柔らかかった。

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