微熱

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それから1時間程、資料を作ったり
校内の見回りと点検をしたりして部屋の戸締りをして、退勤。


靴に履き替えて職員玄関から出ると、
目の前のグランドではサッカー部がミニゲームしていた。

生徒たちの声と、
指示を出す北山先生の声が響いてる。


それを横目に門を目指すと、
今度は反対側の体育館からバッシュと床の擦れる音が聞こえてきて。

バスケ部が練習している所が見えた。

もちろん二階堂くんもいて。

確かエースポジションって聞いたことある。




北山先生と、二階堂くん。




ちゃんと打ち解けられたらいいな、
って思いながら学校を後にした。






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それから6日が過ぎて、日曜日。


北山先生と約束した日。


前日送られてきたLINEに書いてある場所で
待ち合わせする。


午前中はサッカー部が遠くへ練習試合だから、
待ち合わせは17時にって。




新品の春物のスカートを履いて、
髪の毛も緩く巻いてみた。



鏡の前でふと考える。


休みの日に出掛けるノリで支度しちゃったけど、気合い入りすぎ…？


なんか勘違いされちゃうかな。


あくまでも、
職場の人と仕事について話すだけだよね。



まぁ、いっか。



お気に入りの香水を軽めに付けて、
玄関を出た。







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｢Aせんせ｣


後ろから声を掛けられて振り返ると、
私服姿の北山先生が立ってた。


無地のトップスに、カジュアルだけど襟付きのジャケット姿の北山先生。


普段学校で会うジャージ姿の北山先生とは印象が違って、大人っぽくてドキッとしてしまう。

…実際、大人なんだけど。





｢こんばんは｣

｢こんばんは。なんか可愛いカッコしてるから誰か分かりませんでしたよ｣

｢えっ、そんなこと、ないです…｣

｢はははっ。行きますか、店｣



北山先生がオススメって言う、
鶏料理のお店を予約してくれていたみたいで半個室になってる席へ案内された。

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