４８話 ページ49
その後はおとなしく自分の膳に用意されたおいしい食事に口を付けた。
鶴丸は居心地悪そうにしていたが、少ししたらお酒で少し気が緩んだらしく表情は最初よりも緩んできていたのは安心したもンだ。
「主ぃーっ…！」
「っ…わ、後ろから抱きつくンじゃないよ…ご飯が落ちるだろう？で、どうしたんだい？」
小鉢を手に、中身を少しずつ食べていればトス、と背中に衝撃が来た。むぎゅ、と抱きつかれた。小鉢を食膳に置き、首を動かして確認すれば後ろに抱きついていたのは包丁だった。
此奴もほんの少し酒が入っているのかふにゃと砕け切った笑みを浮かべて、アタシの腰にぎゅうぎゅうと抱きついてきていた。
「ねー、主はさァー…人妻？」
「ンなわけあるかい、……ったく、どうやったらそういう思考に至るンだい、えぇ？」
湯呑を持っては麦茶を飲みながら包丁に少し呆れながらそう聞けば、包丁はえぇ、と少し不満そうな顔をして見せたのだった。そして、頬を膨らまして不満を垂れ流す
「えーッ違うのぉ！……てっきり日本号とデキてるかと思ったのにィ…」
「･･･ッン、グッ…！？」
ぼそ、と聞こえた包丁の声に動揺が走ってしまって、飲んでいた麦茶が気管に入り込んだ。
反射的に顔を背けて口に手を当て、ゲホゲホと何回か大きめの咳をしまっていた。湯呑はぎりぎり食膳に置いていたから、湯呑を割ることは無かったし中身を零すこともなかった。
急にせき込みだしたアタシに、隣で大人しくご飯を食べている鶴丸はぎょっとしたよう顔をこちらに向けていた。
「ごめ、なんでもない…。変なとこ、入っただけ」
口元を押さえながら小さく首を横に振ってそういえば、鶴丸は少し首を捻ったのち、食事に戻ったのだった。
「･･･ねぇねぇ主ー？」
「･･･何だい･･･」
「･･･ホントは日本号と…むぐ」
「だまらっしゃい包丁」
にやにやとした笑みを浮かべる包丁の口を手で押さえて黙らせた。包丁は、またもやムーっ！と声を上げながら元の場所へと戻っていった。面倒な事言わない…だろう。うん、多分大丈夫。確証は、無いけどね。
それにしても、アタシは日本号とデキてるとか…ンなわけ、無いだろうに。
なンだったってそんな、まったく･･･アタシは別に、彼奴はちゃんと、近侍としてだからそういう目としては見てないし……ま、一緒にいた年月長いからな、他より距離感は近いかもしれんが
「おぅい、何ぼーっとしてんだ？」
「っひ･･･！？」
日本号･･･だった
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ガーベラ - はじめまして！課長様、姉貴肌ですね〜。こんなお姉ちゃん欲しかったな〜。続き楽しみにしています！これからも更新頑張ってください！ (2020年11月28日 20時) (
レス) id: cdc708129e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：病蛟 | 作成日時：2020年7月12日 17時
