【刀剣乱舞】政府から審神者に人事異動することになった (ページ5)

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４話ページ5

誰だ…？日本号もその気配に気づいたのか、槍を握り直しては、いつどこからかかってきてもアタシを守れるようにしていた。

アタシ自身も備前長船兼光に手をかけては気配がする方向に向かって声をかける

「そこにいる男士、もう気配はダダ漏れだ。出て来ることが得策だよ…？暗殺なンてこたァ考えない事さねェ」

…それにしてもこの気配。どこかで感じたことがあるような…
刀剣男士それぞれが持つ気配は刀が同じだとしても少しずつ変わってくるモンだ。

この気配は…アタシが政府の新参者だったとき感じたような気配…でもまぁ、微かで、すぐに壊れてしまいそうな感じだけど

「ご、ごめんなさいっ…！俺、包丁…あの、Aなんだろ…？」

木の影からゆっくりと出てきたのはあの人妻好きの包丁藤四郎…だが、何か抱えていて

日本号に警戒を解くように指示してはゆっくりと近づいた
「あぁ、アタシはAで合ってるよ。で…どうしたんだい？手入れを御所望か？それとも、
折れた刀剣を直してほしい、とか？」

スッと、彼を見据えながらそう言うと小さく震えた後にキッと睨んできた

「違う！博多は折れてなんかいないんだからな～！今は…刀に戻っちゃったけど…」

「博多…？」
出てきた名前に思わず反応してしまった。日本号も不思議そうにアタシを見てはもう一度包丁を見る

包丁は堤を開いて中の刀剣を見せてくれた

何十回と政府で見てきた刀剣。確かにあるのはボロボロだが博多藤四郎なわけで…ただ、違うのが刀の柄の部分にオレンジ色の布が巻かれている事位

これに私は見覚えがあった

「おい、A…こりゃあ…アイツか？」

それに気づいた日本号も微かに声を震わせてはアタシに問うてきた。

アタシがまだ政府の役人として中位の立場だったころ…か…
アタシが過って顕現させてしまった博多藤四郎…の、はず…

「あぁ…そうだ。この子は……
アタシが顕現させて、必ず助け出す…って指切りした博多藤四郎…さね…」

「や、やっぱりそうなのかっ？
博多が…もうすぐ折れそうで、寝込んでた時にずっと名前を繰り返し呼んでて…もしかして、って思ったんだ…。」

『あの人と約束したばい。絶対にあの人は来てくれる、俺はそう信じてるたい』

博多はそう言って刀剣に戻ってしまったらしい。

すぅ…と刀剣に指を滑らせれば普通、刀からはしない温もりを感じた。
まだ折れてない、博多は生きている。

それがわかっただけでアタシの心の中はだいぶ落ち着いていた