【刀剣乱舞】政府から審神者に人事異動することになった (ページ33)

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３２話ページ33

「いやいやぁ、申し訳無いです、って！所で彼処で悩んでる日本号さんはモチロン課長の所のですよねッ？前より酒に対する執着強くなってません？なんかありました？あ、あと、博多きゅんと会えたんですねッ！」

へら、そう笑いながら店の中にいる日本号をみて首を傾げるコイツ。名前は教える程の者でも無いから、今の所はまだ伏せておこう。

コイツは「刀剣の状態を色で読み取ることが出来る」らしい。らしい、だから本当かは知らん。

例えば
5ヶ月ほど前にアタシが大怪我して日本号からの執着が途轍もなく強くなった時期があった。
その時、常にべったりしている、というわけでは無いがとにかく過保護。部下たちの見えない所でとにかく過保護…
その時の日本号の纏う色は「青」だったそうだ。青は執着の色、と言われているからか、アタシの怪我も相まってコイツにはバレた。

…いやまぁ、バレて困るワケじゃあ無いんだがねェ？
執着が強くなってる、って言ってるって事は…また日本号の纏ってる色は青、か。

「いや…特に何があった、ってワケじゃあ無いが。まぁアタシの異動先がブラックだってのは知ってるだろう？怪我とかなんやら…酒が褒美だ、って言ってたら張り切っちまってねェ」

「あは～ッなるほどですな～」

日本号さんならあり得そう、と言いながら笑うコイツはあまり数日で変化ないらしい。数日で変化あったらあったで怖いンだが。

チラリと日本号に目を向ければ酒瓶は2、3本に減っていた。まぁそこら辺なら買ってやるか。
日本号に声をかけようとした瞬間、通りで大きな音が鳴り響く

ガタンッ、バチ…ッ!と。

先ほどまで騒がしかった通りは静まり返り、次第にざわざわ、と困惑の声が強くなってきていた。
部下と顔を見合わせてはお互い小さくため息をつく。
買い物に来てまで仕事は全うせにゃならんか…。

「日本号、博多、酒買う前にもう一仕事さね、行くよ！」
「あいよ、流石に今回はしゃあないしな…」
「Aと初めてのお仕事たい、漢見せると～ッ！」

「ごこきゅんッ、課長に迷惑かけないようにお仕事頑張ろ～！」
「は、はいッ主様ッ…！」

私は備前長船兼光。部下は銘備州長船兼光一振の大薙刀を手にかけながらその場に歩み出す。

「此方政府の者である！退きなさい、邪魔ですよ！」

大声を上げてキツ目の口調で話す部下は大薙刀を鞘に入ってる状態で人ゴミを掻き分けるようにゆったりと左右に振った。

人混みの先に見えたのは一人の審神者と二人の刀剣…