【刀剣乱舞】政府から審神者に人事異動することになった (ページ28)

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２７話ページ28

「俺たち刀剣はアンタら大将の判断で生かされるし、殺される。
所詮審神者は第三者なんだ、死と隣り合わせじゃないから『死ぬまで君を愛す』とか『死ぬほど頑張る』とか吐けるんだぜ。
生きることは饒舌…死は……壮絶なんだ。

俺は顕現すぐに大将に折られてばっとえんど(不幸の終わり)で此処に来た。
俺は顕現すぐにいち兄達に会えて折られてはっぴぃえんど(幸せの終わり)で此処に来た

もうあんな思いしたくないンだ、いち兄にも伝えてくれよ、俺は戻ることはないから、って」

………なるほど、後藤の言うことは一理ある。
そこらの心理を解いてくる英雄論者のようなヤツらよりもよっぽど説得力がある……が、ここで引き下がるほどアタシも弱気なヤツじゃあない。

「確かにそうだねェ…アタシら審神者は歴史を遡れない、歴史遡行群と戦わない。ただ上座に座してアンタら刀剣に指示を出すだけの第三者だ。…が、その人物がどのような生い立ちかどうかはその人物自身しか知らない物だろう？

まぁ……そんな第三者からの一意見を言おうか
“バッドエンドは優しさだ”」

そう、後藤の意見だとバッドエンドは不幸の終わり
それはつまり……

いたたまれなくて、目も当てられない…そんな物語に作者が与えた一つの救済。バッドエンドは優しさでハッピーエンドは地獄だ。

「一期は、なんでアンタを顕現させようと思ったと思う？」
「……そりゃ、いち兄の、気まぐれじゃ…」

「アイツは、アンタがこの本丸に来てすぐ折られたから、って言っていた。
そりゃ、後藤ならまだやり直せるかも知れない、って考えたからだろう？
もう…此処で沈み行く刀剣を見守らなくていい、来ない迎えを待たなくていい。ハッピーエンドが嫌いなら…
アタシが幸せ永遠に続かせて見せるさね

後藤……アタシに、アンタの未来を賭けて見てはくれないかい？
決して退屈なんかはさせてやらないさ」

アタシが話し続けるごとに後藤の瞳の奥には動揺が揺らめいている…最後にそっともう一度手を差し伸べては後藤は諦めたように小さく笑ってはと刀剣の山のを降りてアタシの手を握る

アタシよりも少し小さいけど、大きな存在。
霊力を流せば今度は何も痛くないし、後藤の傷治っていく…霊力が受け入れられた、か…良かった

さて、そんじゃこっから戻らないとねェ。後藤の手を握っては精神に戻るよう念じる。

フッ…と体が軽くなり、戻ってきた感覚がした、目を開けて真っ先に飛び込んできたのは
刀剣の刃先だった