【刀剣乱舞】政府から審神者に人事異動することになった (ページ27)

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２６話ページ27

「まぁ誰でもいいけどよ。悪いけど帰ってくれるか？俺はもう此処で一生を終えるつもりだ、今思えば此処に廃棄される刀剣は無くなったしあの大将はいなくなっちまったんだろ？」

真っ黒く垂れ込んだ空を眺めながら、そう語る後藤藤四郎の姿はぼろぼろで傷だらけ。
明らかにアタシの見つけ出した後藤藤四郎である事は確かだった…
だが、なんで……

「アンタ、今アタシの霊力を拒んだはずじゃ…なんで顕現されてンだい…？」

どうして顕現されているのか、それが謎だった

「俺が拒んだのはアンタの霊力“だけ”だぜ。いち兄の神力は受け取ったんだ…あいっかわらず澄んだ神力だな、優しい感じがするぜ…」

神力があれば……刀剣は顕現される…？
いや、そんな事なかった筈じゃ…今回ばかりは、例外なのかも知れないねェ…

「……そうかい、まぁ良いが。…アタシゃあAだ。倉木A…数日前からアンタのいた本丸の審神者を務めることになった元政府役人さね。今回は一期に頼まれてアンタを迎えに来た。さぁ、一緒に本丸に帰らないかい？」

「……俺はさっき言ったぞ、帰ってくれって。いち兄が望んでようが…アンタが大将とおんなじ人間じゃ無い保証なんてない。それに……俺はもうあんな思いはしたく無いからな」

差し伸べた手を後藤は一瞥したあと興味なさげに目を背ける。前後左右下…四方八方にある刀剣たちを悲しげな表情で見つめている、ただそれだけ。

一人の人間と、生きた刀剣…暫く重い沈黙が響いたあと、後藤は思い出したかのようにポツリと呟いた

「大将は、どうなったんだ？」

「…前審神者の事かい…？上からの報告によれば捕縛してから…過度な出陣及び刀剣への暴行危害…その他諸々で処罰されたとかなんとか…だったかねェ？」

「………なぁ、アンタは知ってるか？
人じゃなくても、物でも、無機物も有機物も……神も、いずれ死ぬんだぜ」

暫く黙った後、話始めた後藤…どう反応を返せば良いのか分からなかったため、少しの間話を聞くことにした。手首の腕時計に目を向けてはまだ時間はある。
少しくらいなら大丈夫そうだねェ…

「本当はよ、この世界、幸せな終わり方とか…不幸な終わり方なんてないんだ。
なんでかわかるか？そもそもの考え方が違うからな本当は…幸せが終わって、不幸が終わるからだ。

はっぴぃえんど、なんて物があるらしいけど、あれなんかまっぴら嘘なんだ。
人間はいいよな、自分はまだ死なないって思ってるから呑気に死を口にできる」