最強メイドちゃん【wrwrd】【日.常.組】

第6話 ページ8

後から確かめてみると、鬱様のような行動を取った人が多くいたことが分かった。


左右のポケットは勿論、靴の中やエプロンのなかにまで。

………どうやって入れたんでしょうか…。




そして、"親しくするつもりはない"宣言をしたコネシマ様の物らしきバッジも入っていました。

………ますます意味が分からないですね。




他に入っていた物…


黒いチョーカー

深緑のハンカチ

真っ白のリボン

赤い口紅

黄緑のピン留め

桃色のマニキュア

黄色のネックレス

茶色の栞

紫のペンダント

オレンジの宝石のついた指輪

薄水色のカチューシャ


……さしずめこんなところでしょうか。


多すぎますね。

きっと幹部様達全員に入れられたのでしょう。



しかし、話していない人すらいたのに、やはり本当にすごいですね、幹部様は。


それにしても……。



『…捨てるわけにも、いかないしなぁ…。』


扱いに困ってしまいますね。

次があるとするなら食べ物の方がいいです。





pi「うわああああああ！！

ねぇ！！

ねぇ、どうしよ、A！！！」


廊下でぺいんと坊ちゃんが騒いでいる。

坊ちゃんの手には手紙、耳にはインカム。



『…どうなされたのですか。』


わたわたしている坊ちゃんを見て、他の3人も駆け寄ってきた。





青ざめている坊ちゃんは、インカムの方を指差して、こう言った。



pi「ぴくとさんから…！」


顔から血の気が引く。

あの人、悪い人ではないのですが……。



pkt ≪えー、いーじゃないっすか。

俺だってA欲しい。≫




pi「また引き抜きの誘いぃぃ！？

だからAは渡さないってゆってるデショ！！！？」



……そう、この通り、月に一度は必ず、私を情報屋に引き抜こうとしてくる。



pkt≪ねーねー、どうどう？

今度こそ来てよー。≫

インカムから、微かに誘いの声が聞こえてくる。



……ですが。


『…ぴくと坊ちゃん、申し訳ないですが、私は此処の国に仕えると決めたもので。』

私は此処に忠誠を捧げているんです。



きっぱりと断ると、インカムは"あーあ、残念だな。ま、いいや。また今度誘うよ〜♡"という声を残して切れる。

……頑張れ、"今度"の自分。





tr「…はぁ。なんか疲れた。

で、ぺいんと。その手紙は？」


ぺいんと坊ちゃんが握りしめている白い紙を指差してトラゾー坊ちゃんが話す。





pi「……あ、それが…。」



ひら、と振られた紙には




"先程のメイドを雇いたい"




と書いてあった。

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