23話 ページ24
貴「はー気持ちよかった」
温泉から上がり、浴衣へと着替える。
折角の温泉に浸かれないのはもったいないから、下半身だけ浸かった。
さあ包帯、となったところで気づく。
・・・一人じゃできない!!
貴「どうしよう・・・」
清潔にした後、としのぶちゃんに念を押されているため、どうしようもできない。
うーん、うーん、と唸っているところに、近くで足音が聞こえた。
仕方ない、この通った人に頼むしか・・・!
貴「あ、あの!すみませんが、包帯を巻いてもらえますか?」
目の前に現れたのは、くせっ毛の長い髪を持つ男の人だった。
この里の人なのだろうか。お面をつけていないのは珍しい。
表情が変わらず、こちらをじっと見られる。
駄目だっただろうか、と思ったが近づいてきたためそうではないようだった。
貴「ありがとうございま、あっ」
寄越せ、と言わんばかりに包帯をふんだくられる。
うーん、なんだか行動が鋼鐵塚さんに似ている。
無口な人なのだろう、一言も喋らない。しかし私はそんなことはお構いなしに喋りかけた。
貴「実はですね、今日担当の刀鍛冶を訪ねてきたんですけど・・・鉄珍様曰く、行方不明みたいで」
ちゃんと話は聞いてくれているようで、巻いている手がぴくりと動く。
というかこの人、包帯の巻き方優しいな。しかも上手。
貴「やっぱり私、見捨てられたのかなって。でもですね、その人すごいんですよ!性格は置いといて・・・刀鍛冶として、私はその人以外考えられないんですけどね」
鋼鐵塚さんって言うんですけど、ご存じです?
そう言って彼の顔を見ると、なんとも言えない顔をして真っ赤になっている。
丁度包帯を巻き終え、下を向いて体がプルプルと震えている。
貴「え?どうしました?」
鋼鐵塚「お前ェ!!担当の鍛冶師くらい覚えておけェェ!!!目の前で本人を褒めるんじゃねぇゾ!!」
貴「その声鋼鐵塚さんですか!?えっ、えっ」
素顔初めて見たんですけど・・・
鋼鐵塚「・・・飯食ったらさっさと俺の鍛冶場来い」
貴「は・・・はい」
ズカズカと去っていく鋼鐵塚さん。
行方不明って言ってたのにいたし・・・しかもなんだか、体ががっしりしてたような・・・?
貴「顔整ってるのにもったいないなぁ・・・」
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にんにく - 煉獄さんがしのぶのところに足を運んでいたのは、てっきり華さんが妊娠でもしてるのかと思ってました!でも読み返してみたら、2話でも華さんが簪を指しても「買ってあげよう」とは言ってませんし、伏線?が散りばめられていたんですね…。続編楽しみです! (2019年11月17日 23時) (レス) id: 315083b1b9 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 初めてこんなに続編が気になる作品に出会えました。これからの進展がすごく気になります!続編もすぐ読ませてもらいます! (2019年11月17日 13時) (レス) id: d43f11df13 (このIDを非表示/違反報告)
中二病者です!(プロフ) - 次の作品も続編も楽しみに待っています!だけど、冬の季節になったので体調には十分気をつけてくださいね!更新楽しみにしています! (2019年11月17日 7時) (レス) id: ab06cdee91 (このIDを非表示/違反報告)
はず - 作者様…!とても気になります!読んでいてとても楽しいです。更新頑張ってください!応援してます!! (2019年11月16日 18時) (レス) id: 91e1062183 (このIDを非表示/違反報告)
さやか(プロフ) - おおお!!ついについに来るのか?来るべき時が来るのか?? (2019年11月16日 0時) (レス) id: 70d7a9e017 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みっど | 作成日時:2019年11月3日 21時