12話 ページ13
槇寿郎さんの話によると、詳しくは聞いていないらしい。
ただ杏寿郎からは、「突然申し訳ありません父上。急な報告にはなりますが、こちらの塩崎華さんと婚約いたすことになりました」と報告があったと。
そしてそのあと、杏寿郎が何かを言うそぶりを見せたが「興味ない」と追い払ったと。
槇寿郎「まあ、相手がお前じゃないことに多少驚きはしたが」
そこからのことは、曖昧でよく覚えていない。
いつのまにか自分の屋敷に帰ってきており、思っていたより重症であることに気づく。
あぁ、そっか。千寿郎君は、私が傷つかないように優しい嘘をついてくれたのか。
本当に優しい子だ。
貴「・・・いけない」
パンッと自分の両頬を叩く。2人のことを応援するって言ったじゃないか。
日も暮れかけているから、早く任務の準備をしないと。
そうして立ち上がった時、「A、いるか?」と扉をたたく音とともに聞こえた。
この声は杏寿郎だ。
もう、なんでこんな時に・・・なんて思いながら扉を開けると、顔に少しの焦りを滲ませた杏寿郎が立っていた。
貴「え・・・と、どうしたの?」
確か今日は、杏寿郎も任務だったはずだ。
杏寿郎「華が、日が暮れるまでには戻ってくると手紙を送ってきたのだが・・・まだ戻ってきていない」
貴「え?」
そういえば、華さんは実家に帰省中だと言っていた。ということは、今日帰る予定だったのか。
空を見ると、もう日が暮れるころだ。
華さんは一般人、夜に出歩くのはかなり危険である。
杏寿郎「俺はこれから任務で、自分の管轄下でしか捜索はできない。今他の柱達にも伝え、手伝ってもらうつもりだ。すまないが、Aも手伝ってくれないか」
華さんは杏寿郎の婚約者であるが、その前に私の大切な友達でもある。
貴「もちろん。私も任務だから、自分の管轄でしか探せないけど・・・全力は尽くす」
私がそう言うと、杏寿郎は安心したように「ありがとう」と言った。
貴「見つけ次第鎹鴉飛ばすから」
杏寿郎「あぁ、俺も何かあれば連絡する」
こんな顔をさせることができる華さんが羨ましいな。
華さんが無事でありますように、と祈りながら任務へと向かった。
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にんにく - 煉獄さんがしのぶのところに足を運んでいたのは、てっきり華さんが妊娠でもしてるのかと思ってました!でも読み返してみたら、2話でも華さんが簪を指しても「買ってあげよう」とは言ってませんし、伏線?が散りばめられていたんですね…。続編楽しみです! (2019年11月17日 23時) (レス) id: 315083b1b9 (このIDを非表示/違反報告)
かな(プロフ) - 初めてこんなに続編が気になる作品に出会えました。これからの進展がすごく気になります!続編もすぐ読ませてもらいます! (2019年11月17日 13時) (レス) id: d43f11df13 (このIDを非表示/違反報告)
中二病者です!(プロフ) - 次の作品も続編も楽しみに待っています!だけど、冬の季節になったので体調には十分気をつけてくださいね!更新楽しみにしています! (2019年11月17日 7時) (レス) id: ab06cdee91 (このIDを非表示/違反報告)
はず - 作者様…!とても気になります!読んでいてとても楽しいです。更新頑張ってください!応援してます!! (2019年11月16日 18時) (レス) id: 91e1062183 (このIDを非表示/違反報告)
さやか(プロフ) - おおお!!ついについに来るのか?来るべき時が来るのか?? (2019年11月16日 0時) (レス) id: 70d7a9e017 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みっど | 作成日時:2019年11月3日 21時