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あの後私は楽屋に戻り、みんなの撮影が終わるのをじっと待っていた。
いつも毒舌で、いじわるで、束縛してきて、重くて、それでも誰よりも私を優しく愛してくれたユンギ。
けどそれを拒絶したのは私で...
もう本当にユンギには、愛想をつかれたっていうより嫌われた、と思う。
そんなことを考えながら溜息をついていてると、急に楽屋の扉が開いて、私は思わず肩を震わせた。
テヒョンが一歩近づいて、切ない目で私を見る。
TH「ヌナ...」
『やー!テヒョナその衣装かっこいい!』
メンバーからどう思われてるのか少し恐れていた私は、何か言われるのが怖くて誤魔化した。
けどそれはテヒョンに通用しなかったみたい...
TH「...なんかあったの?」
『っ、...』
TH「ヒョンのこと、?」
テヒョンは、いつも不思議な行動を起こすけど、よくまわりを見ている子だった。
撮影前の私たち、それとユンギの様子を見て何かを感じとったんだろう。
テヒョンの言うヒョンとは、きっとユンギのこと。
ユンギに大嫌いと言った私と、私に大嫌いと言ったユンギのことが、胸の中心あたりに浮かんで痛んだ。
『...えーっとね、テヒョナ』
TH「ん?」
『私もう、ユンギのこと好きじゃないんだよ』
TH「...え?」
『ソクジンと付き合ってるのはね、本当なの』
TH「ヌナ、本気で言ってるの?」
テヒョンは、目をまん丸くして私にそう言った。
テヒョンは私に甘えてくる可愛い弟なだけじゃなくて、よく家に来て私とユンギの間を取り持ってくれたりした。
テヒョンは純粋に私たちを応援してくれていた。
そんなテヒョンに、もう好きじゃないだなんて嘘をつくのが苦しかった。
『うん...ユンギももう私のこと好きじゃないから』
TH「ヌナ...」
『テヒョン。いっつも邪魔するフリして、ずっと応援してくれてたんでしょ?』
TH「.....」
『ヌナはずっとわかってたよ』
TH「...っ、」
なんだか申し訳なくなって、テヒョンの少しの大人な優しさにお礼を言うと、
テヒョンは、ヌナっ、ヌナっ...と言いながら私に思い切り抱きついて、体制を崩す私なんかお構いなしに泣きじゃくり出した。
TH「ヌナは...今幸せ、?」
そう問いかけるテヒョンに私は、
『うん、すごく幸せだよ』
そう言って新しい幸せを願った。
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さくらんぼ - ユンギヤアアアアアアアアーー!! まじで 可愛い キヨ (2019年6月17日 23時) (レス) id: c306612a0b (このIDを非表示/違反報告)
k(プロフ) - 空気読めなくて図々しい彼女ちゃんにもはや爆笑 (2018年12月5日 11時) (レス) id: 783d9deaa6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんぎらぶ - もうシムクン(胸きゅん)だらけでやばい…。ユンギ好きこのお話みたいに愛されたい← (2018年11月27日 18時) (レス) id: 8bf3196fdf (このIDを非表示/違反報告)
moai(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!!更新楽しみにしてます! (2018年11月25日 18時) (レス) id: d5d0b8a583 (このIDを非表示/違反報告)
兎に恋した兎 - このユンギさん推せます。 (2018年11月11日 20時) (レス) id: 5d350162f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:恋 | 作成日時:2018年10月11日 19時