検索窓
今日:7 hit、昨日:51 hit、合計:334,903 hit

35 ページ35

.





あの後私は楽屋に戻り、みんなの撮影が終わるのをじっと待っていた。


いつも毒舌で、いじわるで、束縛してきて、重くて、それでも誰よりも私を優しく愛してくれたユンギ。


けどそれを拒絶したのは私で...

もう本当にユンギには、愛想をつかれたっていうより嫌われた、と思う。


そんなことを考えながら溜息をついていてると、急に楽屋の扉が開いて、私は思わず肩を震わせた。

テヒョンが一歩近づいて、切ない目で私を見る。





TH「ヌナ...」


『やー!テヒョナその衣装かっこいい!』





メンバーからどう思われてるのか少し恐れていた私は、何か言われるのが怖くて誤魔化した。

けどそれはテヒョンに通用しなかったみたい...





TH「...なんかあったの?」


『っ、...』


TH「ヒョンのこと、?」





テヒョンは、いつも不思議な行動を起こすけど、よくまわりを見ている子だった。

撮影前の私たち、それとユンギの様子を見て何かを感じとったんだろう。


テヒョンの言うヒョンとは、きっとユンギのこと。

ユンギに大嫌いと言った私と、私に大嫌いと言ったユンギのことが、胸の中心あたりに浮かんで痛んだ。





『...えーっとね、テヒョナ』


TH「ん?」


『私もう、ユンギのこと好きじゃないんだよ』


TH「...え?」


『ソクジンと付き合ってるのはね、本当なの』


TH「ヌナ、本気で言ってるの?」





テヒョンは、目をまん丸くして私にそう言った。

テヒョンは私に甘えてくる可愛い弟なだけじゃなくて、よく家に来て私とユンギの間を取り持ってくれたりした。


テヒョンは純粋に私たちを応援してくれていた。

そんなテヒョンに、もう好きじゃないだなんて嘘をつくのが苦しかった。





『うん...ユンギももう私のこと好きじゃないから』


TH「ヌナ...」


『テヒョン。いっつも邪魔するフリして、ずっと応援してくれてたんでしょ?』


TH「.....」


『ヌナはずっとわかってたよ』


TH「...っ、」





なんだか申し訳なくなって、テヒョンの少しの大人な優しさにお礼を言うと、

テヒョンは、ヌナっ、ヌナっ...と言いながら私に思い切り抱きついて、体制を崩す私なんかお構いなしに泣きじゃくり出した。





TH「ヌナは...今幸せ、?」





そう問いかけるテヒョンに私は、





『うん、すごく幸せだよ』





そう言って新しい幸せを願った。





.

36 TH→←34



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (255 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1201人がお気に入り
設定タグ:BTS , 防弾少年団 , ユンギ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

さくらんぼ - ユンギヤアアアアアアアアーー!! まじで 可愛い キヨ (2019年6月17日 23時) (レス) id: c306612a0b (このIDを非表示/違反報告)
k(プロフ) - 空気読めなくて図々しい彼女ちゃんにもはや爆笑 (2018年12月5日 11時) (レス) id: 783d9deaa6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんぎらぶ - もうシムクン(胸きゅん)だらけでやばい…。ユンギ好きこのお話みたいに愛されたい← (2018年11月27日 18時) (レス) id: 8bf3196fdf (このIDを非表示/違反報告)
moai(プロフ) - めちゃくちゃ面白いです!!更新楽しみにしてます! (2018年11月25日 18時) (レス) id: d5d0b8a583 (このIDを非表示/違反報告)
兎に恋した兎 - このユンギさん推せます。 (2018年11月11日 20時) (レス) id: 5d350162f8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2018年10月11日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。