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A
桁違いの歓声を聞き、
始まったことを知ったと同時に
この短時間で忙しく動いていたからか
改めてすごいところに来たな
と実感が湧いてきた
ステージ横の待機場に向かった
その間にもメイクさんたちが細かく衣装やメイクを調節している
私の担当のメイクさんが後ろに一歩下がって全身をなめるように見て最終確認をした
キュッと口角を上げて、ドヤ顔で良しと頷きながら
よし完璧、キマった
と自分を褒め称えるように言った
私も胸をなでおろした
終わったー
ほっとして息をついたところで
あ!やっと終わったと思ったでしょ!?
と怒られた
あ、バレた?
いたずらがバレた子どものような
仕草と表情をすれば
そんな可愛い顔わたしには通用しないんだからねー
とまた怒られた
いつも担当してくれていて、信頼しているメイクさんだ
デビュー当初からずっと一緒
売れない頃からずっと共にしてきた
そのせいか、プロ意識が強いせいか
こだわりが強い
キマらないと思ったら出番ギリギリまで客席から見えちゃうよ?大丈夫?
ってとこまでついて来て
微調整を繰り返すくらい
前にそんなに変わらないよーと言ったら
鬼の形相で無言で見つめられた
無言の圧
あの時のことを思い出すと
今も身震いが起きるくらいのトラウマだ
ブルっと
ブルっと?
あー
待って
まずい
Oh no,I’ve gotta pee.(やば、トイレ行きたい。)
ささやくようにして言ったはずなのに
リアムは私の両肩に手を置き
しっかりと目を合わせた
seriously!?(本気か?)
とでも言いたげに両眉を上げた
思わず唾を飲み込んだ
いや、怒らせたらもっと怖い人ここにいたわ
たぶん体は彼が次にする行動をわかってたんだと思う
ただ脳が着いていかなかった
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作者名:むみょん | 作成日時:2019年8月6日 0時