18 ページ18
JK
Aが見えなくなったあとも
ぼおっとそっちを見つめてた
ここにはいなかったヒョンたちの声が聴こえて
やっと取り憑かれていたものから解放されるように
現実に戻ってこれた
ジンヒョンが何か言いたそうな顔をしたけど
口をしっかり結んで開くことはなかった
全員揃い、スタッフの誘導のもと
観客側のステージをみれる席に移動した
Aの帰りを見れるかと思ったが
戻って来る前にステージ裏から離れなければならなかった
残念だけど、
他のペンたちよりも
いい場所でAのステージを見ることができると思えば
気分はすっかり晴れた
それに生でAのステージを見れるなんて夢みたいだ
何も気にせず好きなものは好きって言えたら、
あのペンライトを持って掛け声を叫ぶ自分を想像した
照明が変わり
はじまりを知らせた
1秒足りとも見逃さないように背筋を伸ばした
はぁ、
圧巻だった
それ以外になんて言ったらいいんだろう
今日何度目かの
言葉に出来ない感情がまた増えた
想像を軽々超えてきた
あんなリミックス誰が思いついたの!?
すごすぎない???
会ったら熱く抱擁を交わして
この感謝の気持ちを伝えたい
会場が拍手の音
メンバーの名前を呼ぶ声
褒め称えるような歓声に包まれた
俺もこの感情にのせてAと叫びたかったがぐっと堪えた
この衝動に耐えていたら
スタンディングオベーションの波が来ていたのに気が着かなかった
慌てて立って、精一杯の拍手を送った
Aが観客に手を振りステージ袖にはける
こっちを見るかと期待したが
目が合うことはなかった
ヒョンたちはそれぞれ耳打ちしながら話していたが
それには入らず
さっきの余韻を1人で楽しんだ
しっかり噛み締め、脳に刻み込んだ
少し経ってから
視界の隅にAのグループがこっちへ来ているのが見えた
手が薄らと湿った
目の前を通るAたちの
足元に視線をやり、ペコペコと挨拶をした
ペンたちが見てる手前
迂闊にいつもとは違う行動は出来ない
Aを守るためにも
俺らの後ろ辺りの席に座ったことを
気配で感じた
目で見て確認出来ないことがもどかしい
その後のパフォーマンスにヒョンたちとノリノリで楽しんだが
Aのことが頭の中でチラついて
意識したら後ろを振り返りたくてたまらなくなった
358人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:むみょん | 作成日時:2019年8月6日 0時