【twst】NRC生が敵連合に拾われ雄英高校に行く話【MHA】 (ページ5)

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◇０４「入試当日」ページ5

【入試当日】

「どうしてこんな事に…」

単刀直入に言うと、私は敵連合という組織に所属する事になった。
…いや、ここで生活する為にはそれしか選択肢がなかったと言った方が正しいが。

「…はぁ」

…黒霧さんが私に課した任務はかなり面倒なものだった。
私が今から受けるこの“国立雄英高等学校”は、プロヒーローを養成する名門学校らしい。
つまり私は、今後弔さん達の敵になるであろうヒーローの卵達がわんさかいる学校に入学して内部の情報を盗まないといけないのだ。
その為に偽りの《綺瀬A》という名前まで貰った。ここでは性別を偽る必要もないので、普通に女性として生きていくつもりだ。
勉強もしたし、最低限の常識も学んだ。あまりにも無知すぎて弔さんに何回殺されかけたかわからない。

正直に言うと、かなりめんどくさい。
それに異世界人の私からすれば敵連合もヒーローもどうでもいいのだ。まず、敵連合とヒーローの詳細すら把握しきれていない。
弔さんから得る知識は偏っているので、今のところヒーローがクソだということしか教えてくれていないのだ。

しかし、一応恩人である弔さん達にはお礼の意を込めて協力はしたいので出来ることはやろうと思う。お小遣いもくれたし。弔さん曰く、ヒーローは偽善者集団らしいので思う存分敵視できそうだ。
その為にもまずはここに受かる事に専念しよう。

「おい、そこどけ。モブ」

…もしかしてだけど私に言ってるのか？
普通、初対面の相手にモブとか言わないだろう。レオナ先輩でも草食動物呼びだったのに。
同じ受験生であろう爆発頭の彼は私を睨みながらズカズカと受験会場の方へ向かっていった。

「…何あの子」

…ここでグチグチ文句を言っても仕方がないので私も会場へ向かう事にしたが、その道中でも彼へのイライラがなかなか収まらなかった。

***

「今日は俺のライヴにようこそー！エヴィバディセイヘイ！！」

会場へ入ってから数分が経つと、教員らしき男性が司会進行を始めた。
しかし会場にいる生徒は静まり返り、一切言葉を発しない。

「こいつぁシヴィー！受験生のリスナー！
実技試験の概要をサクッとプレゼンするぜ！！アーユーレディ！？yeah！」

相変わらず受験生達は無言だ。
しかし、私の横の席に座っている男の子だけは興奮した様子でぶつぶつ言っている。…彼のファンなのだろうか。