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三五日 1904年1月1日 ページ36

時は流れて今年は1904年。
ちょうど日清戦争から10年だ。


岩兄は戦へ行く前にこんな気持ちだったのだろうかと改めて考える。

あの時岩兄は戦場では友人、同僚達がが次々と死ぬ。等と余りにも子供に聞かせるには残酷すぎる事を言ってはいたが、今一実感が掴めない。


もし、友人が死んだら悲しむかどうかも分からないし、そんな事など真剣に考えた事などなかった





今はそんな想いだ。
まぁ、今はそんなことを考えたって意味は無い。
何故かって?

そう。今日は正月だからだ。
めでたい日にそんなことなど考えたくもない。
だが、暇すぎてそう考えてしまった。


今の自分の視界には店で皆が酒に呑まれている光景が広がっており、そこに自分はただ騒ぎの中ポツンと座っている。



余りにも自分の影が薄いのか、誰も自分に絡んでこようとはしない。
それはそれで悲しい。
誰か絡んでくれーとも今現在思っている。


「和は酒飲まねぇのか?」


やっと声をかけてくれたと思ったら、そこには酔いつぶれた尾形上等兵がいた。
顔がほんのりと化粧をしたように赤い。

尾形上等兵が色白いからなのかは分からないがそれはとても際立って見えた。


しかし、そんな尾形上等兵をいつまでも見つめる訳にも行かない。


どうにか断る理由を見つけなければと、酒を飲んだことがない自分は自然にそう考えていた。


「え·····あぁいやいや。自分は下戸ですし·····と言いますか飲んだ事ないんですよね。酒。」

「えぇ?森畠君ってば酒を飲んだことがない〜
って?」


そこへ、酒に酔いつぶれた宇佐美が絡んでくる。
面倒くさそうな表情を押し切るように森畠は薄く笑みを浮かべた。


「兄からとめられていたんです。お前は絶対に酒癖が悪いから·····と。」

「なら、酒処女だね森畠君。
ほらほら、まだ沢山酒はあるから」


森畠はその後も丁重に断ったが、二人は聞く耳を持たず森畠の両手を抑えて無理やり飲ませた。

口から顎へ、そして首へと伝わる溢れ出た水滴が服に染みるその瞬間。


森畠の何かがはち切れた。


「お酒って·····ほんっとに最高ですね!!
この飲みごたえに、この痺れるような旨み!

ついつい癖になってもっと飲みたくなりますッ!!」


突然立った森畠はそう言って一升瓶をラッパ飲みする。

周りの者達は予想外の森畠の行動にとても唖然していて目を丸くしていたが、そんな周りの者の事など気にする様子もなく、森畠は一升瓶を飲み切った。

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赤青ほとゝぎす(プロフ) - 忍者氏さん» コメントありがとうございます!はいっ勇作さんも大好きで大好きで予定より早めですが登場させました!あの笑顔って営業スマイルって呼ばれてるんですね…!(伝わってるのがすごい)笑顔がぎこちない尾形上等兵も大好きでこちらも登場させました! (2019年2月13日 18時) (レス) id: e1ece6f77f (このIDを非表示/違反報告)
忍者氏(プロフ) - こんばんは!勇作さんでましたね…!尾形の営業スマイルが思い浮かびます笑今回のお話もとても好きです( ´∀`) (2019年2月13日 0時) (レス) id: 5510d14e32 (このIDを非表示/違反報告)
赤青ほとゝぎす(プロフ) - 忍者氏さん» こんばんは!私ニコニコ初めてだったんですが、まさか.....反応してくださるとは思ってもいませんでした(--;)そして、最近最新なくてすみません。勉強の野郎が邪魔をしてくるんです.....w (2019年2月4日 22時) (レス) id: e1ece6f77f (このIDを非表示/違反報告)
忍者氏(プロフ) - めろんMiiです!お久しぶりです。ニコ生面白かったですね…僕もなにかコメントすればよかったです笑 (2019年2月4日 19時) (レス) id: a461264cdc (このIDを非表示/違反報告)
赤青ほとゝぎす(プロフ) - めろんMiiさん» ありがとうございます!(●´▽`●)やっぱり男前のキャラはカッコよく登場させなければと言う使命感が働きまして...^^ (2019年1月4日 14時) (レス) id: e1ece6f77f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:赤青ほとゝぎす | 作者ホームページ:http  
作成日時:2018年12月12日 23時

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