I DOLL−46. ページ46
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枕元の電灯だけが点いて、
オレンジ色にほんのり照らされた薄暗部屋で
お互い顔を見合わせるでもなく、ただ隣に座った。
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ｸﾞﾗﾄﾞﾘｰ「いずれは話そうと思っていたんだけど、
君が慣れてから、と思っていてね。
君から聞いてくれて嬉しいよ。」
やはり私に気を使っていた、と
なんとも言えない気持ちになり、濡れた髪を垂らして俯く私の頭に
グラドリーさんは笑って手を置いた。
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ｸﾞﾗﾄﾞﾘｰ「3ヶ月ほど前にね、病気で亡くなってしまったんだ。
ぼくの親はとうの昔に他界しているし、ただ1人の家族だった。
だから、寂しくて寂しくて、どうにかなりそうだった。」
ｸﾞﾗﾄﾞﾘｰ「ここからは君と出会ったきっかけに繋がるんだけれどね、
1ヶ月以上、ずっと酷く落ち込んだぼくを見兼ねた友人が連れ出してくれたんだ。
いい買い物ができるかも、と人間屋に。
ぼくは人間屋なんて好きじゃなかったし、勿論行きたくなかった。
でも友人があまりに強引に連れていくもんだから、
せっかくの好意、仕方ないと割り切って行ったんだ。」
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『そこで、…私がいた…？』
グラドリーさんが途中で口をとめてできた僅かな隙間に、
口を割って声を出すと、グラドリーさんはゆっくり頷いた。
ｸﾞﾗﾄﾞﾘｰ「最初は何も買わないつもりだった。
でも、君を見たら、生前妻と話していた事を思い出したんだ。
ぼくら夫婦は、孫が欲しかった。でも、孫どころか子供もいなくてね(笑)
もう諦めていたんだけど、君を見て、孫になってほしい、と思った。
寂しいぼくの生活に、光を入れてほしいと思ったんだ。」
グラドリーさんは、私の顔を見ることなく
空を見つめていた。
その瞳は、潤んでいるようにも見えた。
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ｸﾞﾗﾄﾞﾘｰ「孫になってほしい、なんて厚かましい願いだけれど
君さえよければ、と思って、妻が遺した遺産と貯金で君と過ごそうと考えていたんだ」
『…』
グラドリーさんが話してくれたことは、
私が怯えて警戒していた妄想とは程遠かった。
その事実が胸に深く、重く沈むと共に
グラドリーさんを疑った自分がひどく恥ずかしかった。
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百瀬(プロフ) - もみじさん» 返信遅れてしまいすみません（；-；）ありがとうございます！ (2019年1月26日 14時) (
レス) id: 50ca592013 (このIDを非表示/違反報告)
百瀬(プロフ) - みかんさん» 返信遅れてしまいすみません(;_;)ありがとうございます(笑) (2019年1月26日 14時) (レス) id: 50ca592013 (このIDを非表示/違反報告)
もみじ(プロフ) - コメントみてて作者さんはすごくいい人だと思いました！強く言われてもきちんとかえしていてかっこいいです！応援してます！！ (2019年1月16日 23時) (レス) id: a62820a14e (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - 神対応ですね笑、作者さん (2018年12月8日 23時) (レス) id: 671a807c78 (このIDを非表示/違反報告)
百瀬(プロフ) - みらいさん» 返信遅れてしまいすみません。コメント、そして貴重なご意見ありがとうございます。今後の執筆の参考にさせて頂きます！ (2018年12月8日 11時) (レス) id: 50ca592013 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：百瀬 | 作成日時：2018年9月8日 21時
