あのこ【俳優】【女優】

すだ!!!! ページ24

「菅田くーん!!!」
「おおAー!!」

両手を大きく広げている須田くんに思いっきりダイブする。息を吸い込むと菅田くんの安心する、ふんわり香るフローラルが鼻孔をくすぐった。

しばらく2人で抱きしめあったあと菅田くんはAを膝の上に乗せた。一人っ子のAは、ずっとお兄ちゃんに憧れていたから、菅田くんと会ったらものすごくテンションが上がる。大好き菅田くん。

「なんでAおるん?」
「んー、撮影あった!」
「おお、なんの撮影?」
「ひみつ!」

今日はバラエティの収録があった。収録終わり、マネージャーさんに同じテレビ局の中に菅田くんがいると聞いて大急ぎで楽屋で押しかけたのだ。でもそんなこと言っちゃうとAがあまりにも菅田くんを好きすぎて恥ずかしいので絶対に言わない。

「おーそうか」

ニカッと笑う菅田くん。笑い方はAの学校の男子にそっくりなのに、なんでこんなに違うんだろう。菅田くんの方がずっとずっと、かっこいい。

その太陽みたいな笑顔にぽーっとしていると、菅田くんがなにか言っているのに気がついた。

「お亮から聞いたで。あのAがテストめちゃくちゃいい点取ったから褒めてあげてって」
「そうなの!びっくりしちゃった!」

そうか、と顎に手をやる菅田くん。
1人でブツブツ何か言っている。怖い。

「俺もう撮影終わったし、Aももう終わってんねやろ?」
「うん、」
「よし、お茶しにいこか」

Aのほっぺたをむにゅっとつまんで笑った菅田くん。

「へ!ひひの!!!?ひふ!」
「なんて言ってるかわからへんで、A」

菅田くんはもう一度喉をくつくつ言わせて笑った。

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