目指せ、頂点！？【べるぜバブ】 (ページ2)

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頂点1-1 友人が魔王を拾いましたページ2

ーーーむかしむかしあるところに、

それはそれはハンサムで、かっこよくて、モテモテで、

皆に尊敬されまくっている心優しい若者がおりました。

「全員、土下座」

．

「まてまてまて」
「む？」

　突然のモノローグ。突然の暴君発言。そして何から何まで矛盾的言動の数々。
　黙って聞いていたが、口火を切ったのは銀髪のどこにでも居る普通の高校生・古市貴之だった。
　それに対して特に疑問を抱かず、『なんで止めた？』と止めた理由を理解していない自称心優しき若者・男鹿辰巳。ぜってぇ有り得ない。
　俺、はというと偶然古市の家の前に通りかかった所を男鹿に発見され、強制的に拉致られて古市と同様話を聞かされている。
……一体何を聞かされているんだ、俺は。

「『む』じゃねぇんだよ。誰が優しくてモテモテだ。開口一番『全員土下座』ってお前、暴君じゃねぇか！！」

「よく咄嗟に出たな……全員土下座……」

「なんか強いだろ。鬼頭はともかく古市バカめ。お前の母ちゃんでべそ！」

「でべそじゃねぇよ！ってなんで鬼頭はいいんだよ！意味わかんねぇ！」

　ビシィッとショートケーキを食べていたフォークを古市の方へ向ける男鹿。
　……なんでこんな雰囲気の中でショートケーキなんざ食ってんだ、男鹿は。理由は簡単。男鹿だから。
　そして、古市が突っ込んでいる合間にマグマグとフォークにぶっ刺しているイチゴ以外完食する男鹿。
　数分のうちに食べ終わるとか、味わう気さらっさらねぇ。

「いいか？よく考えてみろ。俺が理由もなく人を土下座させる様な男だと思うか？」

「うん」

　男鹿の問いにハッキリと即答する古市。その目線の先には男鹿……ではなく鏡を見ていた。
　ハッキリ言ったのが気に触ったのか、話を聞いていない態度が気に触ったのか……まぁ確定で前者だと思うんだけど。男鹿は腕で古市の首を雁字搦めにしていた。
　……うん、俺には助けられない。ごめんな、古市。
そして俺らの意見をガン無視して、男鹿のモノローグに戻されるのであった。