34.キス ページ34
A「はぁ……、」
その夜、私はため息をついて部屋から月を眺めていた。一体私はこれからどうなるんだろう。
__やっぱり、審神者を辞める結末になるのだろうか。
鶯丸「__主。」
A「__っ……! 鶯……」
ぼーっとしていたら綺麗なグラスを乗せたトレイを持って、鶯が立っていた。
鶯丸「今日は俺が茶を淹れた。一緒にどうだ?」
A「はい…」
鶯丸「今夜は月が見事だな。」
鶯は私の隣に腰掛け、月を眺めた。
A「鶯…、昼間は申し訳ありませんでした。私、どうかしてました。」
鶯丸「いや、気にするな。」
A「………。」
鶯丸「冗談なのだろう?」
A「……!は、い……」
すごく不自然な返事になってしまったが、鶯は気にする様子なく続けた。
鶯丸「……正直、あの時は動揺した。」
A「ご、ごめんなさい……。じゃ、ジャパニーズジョーク!!ハハハ…!」
うわあぁ…!
私は何を…!
鶯丸「なんだそれ(笑)君は面白いな。」
鶯が微笑んだ。
この人の笑顔、大好き…
鶯丸「……主のことなら嫁に貰ってもいいなって俺も思った。」
A「___!」
鶯の言葉に衝撃を受け動けない
A「っ……ほんと…ですか?」
私の目から涙が溢れた。
鶯丸「___ふっ……冗談だ。そのようなことは__…あ、主…??」
いじわる
今更冗談なんて言われてももう抑えられないよ
A「_ば、ばか!!鶯のばかぁ…!!……ひどいです…っ!!私は……私は本当にッ……」
__ぐいっ
A「__!!!……っ…!」
私が言いかけたとき、突然鶯に手首を掴まれ、2人の距離が一気に縮まった。
同時に、一瞬の温もりを唇に感じた。
__それがキスだと気づくのにしばらく時間がかかった。
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