人間なのに、首を切られた

10.青い瞳の覚悟 ページ10

*






気が付くと、またあの部屋だった。




すこし、見慣れてきた。








ふと視界に黒い髪が入る。





え、居る、人





すぐに体を曲げて布団を被ろうとした。


体制が崩れて、反対側に落ちそうになる。



あ、





落ち、









予想した痛みは来なくて、代わりに腕に掴まれる力を感じた。





「…大丈夫か。」







窓からまぶしく明るい光がさしている。


光が自分の髪の『色』を、嫌というほど分からせた




もう、昼になったんだ





腕をつかんでいるその人の、青い目は静かな色をしていた。



綺麗な、青




半分ずつ異なる模様の衣は独創的で



つい見入ってしまった






A「手を、煩わせて、ご、めんなさい。」




「怪我人に手を貸すくらい別に構わない。」





そっけない返事


ここにきて久々に聞いた。



鬼さんを思い出して、少し嬉しくなる







手を引いて体制を戻されるときに、金属の音が耳に刺さった。










あ、刀







こんな時代でも刀を持っているのは鬼狩りだけだと、鬼さんが教えてくれた。





体に嫌な力が入る。






仕方がない、私は、…鬼なんだから。



いつかこうなる気がしていた。






あぁ、でも、あの村にずっといるよりは、きっと…







青い目を見て、少し安心した。



この人は、一瞬で、やってくれそう。









目を閉じた。


*

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