人間なのに、首を切られた

６.鬼は嫌いですか ページ6

*




目に、光が入った。



A「きれい。」




黄色い、おひさまみたいな髪の毛と目をしている。


日の下で見たら、きっと、もっときれいなんだ。



もうひとりの人を見るとようやく、その人は声を出した。



「俺の名前は、竈門炭治郎。君の名前は？」


A「えっと…」



あの人にもらった名前を名乗ってもいいのだろうか。



A「…A。」


炭治郎「Aか。」



こっちの人は、赤みがかった髪色。


こげ茶って言ったらいいんだろうか。目もそうだ。


火に、守られてるみたいに見えた。



A「すてきな、色。」


炭治郎「ありがとう。




Aも綺麗だと思うぞ。」


A「え、」




きれいとか、あり得ない



嘘？


いや、でも、嘘をつく人の声は



こんなに優しくないはず。



頭の中がぐるぐると揺れている気がした。





炭治郎「A。どうしてAはここに居たんだ？」


A「あ、」



そう言われて、自分が逃げようとしていた理由を思い出した。





この人たちになら、言っても大丈夫だろうか。



でも、もし私を切った人の仲間なら…





A「お、」


炭治郎・善逸「「お？」」






A「鬼は、嫌いですか。」






部屋の空気が止まった。



あ、



だめだ。




逃げないと、




着物を深く被るように引っ張った。








炭治郎「人を喰う鬼は嫌いだ。」





彼のはっきりとした声で、空気が動き始める。

*

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