人間なのに、首を切られた

34.悔い ページ34

*

煉獄side




驚いた



彼女は村では疎外され

まともな食事も与えられなかったと聞いた。



だが、今横にいる彼女は流れるようにお館様に頭を下げ


少しも動かなかった。




まるでそう教え込まれていたように





雪の肌によく映える着物


白百合のような髪にとまる蝶が



一層、綺麗に見えた




しかし、それは許しを請うようにも見えた。


このようにひれ伏せと教えられていたのかもしれない



胸が締め付けられた。




彼女に、幸せに生きてほしい





胡蝶「、Aさん、部屋に入りましょう。」


A「し、つれい、いたします。」



止まっていた時間が


胡蝶に声を掛けられて動き出した



お館様「よく来たね、


私は産屋敷耀哉。鬼殺隊の統率、をしているんだ。」



部屋に入り座るとお館様が話し始めた。


お館様の言葉をAは静かに聞いていた。




A「…ぁ、お時間を割いていただき、申し訳ありません。」


こわばった肩のまま、頭を少し下げてAが言う。



お館様「そう、緊張しないでおくれ。

今回謝らなければいけないのは私の方だ。



本当に、すまなかった。」



頭を下げるお館様は、初めて見た


俺のせいで、なんてことを…!!



煉獄「今回のことは、私の不徳の致すところ！

お館様が謝罪することではありません！！」



お館様「私はこんなところに隠れてはいるが、鬼殺隊の責任者だからね。」



そういわれて、自分のしたことを恥じた。


Aに向き直り、頭を深く下げる




煉獄「あの時、罪なき君に刃を振るったこと、


本当に申し訳ない！！」




部屋に自分の声が響き渡った。



鬼ではないものに刀を振るったこと


乙女の体に傷をつけてしまったこと



その純白な瞳に悲しみの涙を浮かべさせてしまったこと




すべて


心から悔いている






A「か、おを、上げてください。」




戸惑った彼女の声が聞こえた。


*

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