人間なのに、首を切られた

33.身分の高い人 ページ33

*



着いたのは、大きなお屋敷


こんなに立派なものは初めて見た。



しのぶ「そんなに見上げては、着物が落ちてしまいますよ」


羽織を優しく整えられた。



門をくぐった後でも

煉獄さんは抱き上げたまま行こうとしていたけれど

申し訳ないため断った。



廊下の木の模様も美しい



「こちらです。」


顔のよく似た子供が二人


派手ではないものの、上質な布で出来た着物だ。



「ようこそお越しくださいました。」




A「ぁ、ありがとうございます。」


しのぶ「Aさんは鬼殺隊ではないですし、

あまり緊張しなくていいですよ。」


A「は、い」




といってもこんなに立派なお屋敷に住んでいるだけでなく


あのように上質な布を使える方なんて…


相当高い身分の方だ。




丁寧に応じなければ




しのぶ「お館様、胡蝶です。

煉獄杏寿郎、Aをお連れしました。」






「お入り。」





声を聴いたときに


不思議な感覚になった




このような感覚を知っている気がする。





鬼さんの声に似ている気がした。


とはいっても、このように優しくはなかったけれど



ふすまを開けると痣のある方が座っていた。


白い肌は日を浴びてこなかった自分のものと似ていた




大切にされているのが見て分かる


この方がこの家の主なのであろう




膝は畳につき、手は膝の前に降りた


体が自然と動いた。





ひれ伏し、頭を垂れよ



丁寧に




*

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