人間なのに、首を切られた

４.目覚めた場所はどこ？ ページ4

*








…柔らかい。





清潔な匂いと薬の匂い。




白い…？




「…っん、」



体を起こすと、建物の中に居た。




見たことのない白い壁。見たことのない透明な窓



床よりも高い真っ白な寝床。黒い金属の柵




落ちてしまいそうで、体を小さくした。






ここは、どこだろう





…部屋だ。




それもひどく立派な



上等な頑丈な木でできてる


誰もいない。高い布団と布団の高さほどの机と窓と戸



見たことがない、しっかりとしたものだった。




とりあえず、私の家でも、村の家でもないことだけは分かる。




A「っ、」


あたりを見渡した時に、首に痛みが走る。




あ、


そうだ、


私、



首を…




痛くなった場所に、血液が流れてほんのり熱を持った気がした。



熱い首とは裏腹に体が冷えていく感覚がする。




ここは安全だろうか。




はやく逃げないといけない。





誰かに、人に、会わないように。






近くの机に畳まれた私の着物があった。


頭を隠すように被って、静かに扉を開ける。





良かった。誰もいない。



窓からの光が床に反射して眩しい。



まだ日が高くて、移動は出来そうにない。




でも、せめて逃げる道だけでも確認しないと。



*

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