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本当は、男の人がずっと苦手だった。
「A、おまえ最近外泊してるそうだな。」
和やかな食卓が一変
父親のその一言で、その場が凍りついた。
私の隣に座っているラウールが
怯えたように箸を止める。
「………それが何？」
ママが私を嗜めるように「A」と声をかける。
「おまえ、この間の定期テスト
文系科目かなり下がってただろう。
男にうつつを抜かしてるせいじゃないのか。」
いつか、こういう日が来ると思っていた。
少しでも点数が下がれば
勉強以外のことに難癖をつけられる。
だから、ずっと成績が下がらないように
頑張ってきたのに。
「それとこれとは関係ないでしょ。
次でまた取り返すから。」
「男と遊んでる暇があるなら勉強しろ。
それが出来ないなら、もう会うな。」
ラウの心配そうな視線を感じながら
私は立ち上がり
そのまま立ち去ろうと背を向けた時だった。
「
おまえの周りにはロクな男がいないからな。
せいぜい気をつけろよ。」
ゆっくりと、視線を背後に移す。
幼い頃、この人に家を閉め出されて
ひとりで玄関の前に座り込んでいた時
そんな私に気づいてくれたのは
いつも翔太だった。
何をするわけでもなく、ただ私の隣に座り
ママが家に入れてくれるまで
私の話を聞いて、話し相手になってくれた。
互いに何の力も持たない幼い子どもだった頃
それでも、翔太は
あの時出来る最大限の力で
私の心を守ってくれていたように思う。
反論するのも、バカバカしい。
この人に楯突いたところで
何の意味も無い。
それでも、頭で考えていることとは裏腹に
自分では止めようのない怒りで手が震え
同時に、翔太のその不器用な優しさが
無性に恋しかった。
「…………なんだ、その目は。」
一体私は、どんな表情をしていたのだろう。
さぞ、憎しみと軽蔑を込めた眼で
血の繋がった自分の父親を
睨みつけていたに違いない。
口答えをしない代わりに
どうやら私は、感情が表情に出るらしい。
だけど、もう
隠す気も無かった。
「私の周りにいる1番ロクでもない男は、パパだよ。」
多分、私は
最も言ってはいけない言葉を口にしたのだろう。
その瞬間、頬に鈍い痛みが走り
その場に私が倒れ込んだのと同時に
ラウが怒り狂う父親を止めに入り
平穏だった食卓は修羅場と化した。
だけど私は、何の後悔もしていなかった。
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恋那(プロフ) - サラさん» リバイブ今でもほんと1番大好きでたまに読み返しては泣いてます（ ; ; ）笑サラさん紫耀くんのイメージだったのでしょっぴーびっくりしました！笑そう言っていただけて嬉しいです(>_<)これからも楽しみにしてます♡ (2021年11月14日 1時) (
レス) id: fc8046642d (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - 恋那さん» れなちゃんがコメントくれたから、久しぶりに私も懐かしくなって昔の作品読み返したりしたよ笑。しょっぴー好きなんだね♡れなちゃんがコメントくれたから、また更新する気が湧いてきたよ(>_<)ありがとね (2021年11月10日 11時) (レス) @page46 id: a22bbce5cb (このIDを非表示/違反報告)
恋那(プロフ) - サラさん» あのれなです(＞＜)数年前から渡辺翔太くん推してて久々に占ツク開いたらサラさんが渡辺翔太のお話書いててひとりで嬉しくなりました(＞＜)未だによく読み返すくらいどの作品も大好きです☺︎♡ (2021年11月2日 2時) (レス) id: fc8046642d (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - 恋那さん» れなちゃん、、？あのれなちゃんかな（ ; ; ）コメントありがとう！人違いだったらどうしようと怯えてます笑。ブリュレ読んでくれてるんだね、ありがとうー(＞＜) (2021年11月1日 23時) (レス) id: a22bbce5cb (このIDを非表示/違反報告)
恋那(プロフ) - こんにちわ☺︎覚えてないかもしれませんがお久しぶりです！！reviveからずっとサラさんの作品が大好きでコメントさせて頂きました。ストーリーもひとりひとりの言葉使いも繊細で見るたびに引き込まれます。これからも楽しみにしてます！☺︎ (2021年11月1日 16時) (レス) id: fc8046642d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：サラ
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時：2021年1月5日 19時
