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目「あそこで働いて

  深夜にあの街を歩いて帰ってるんだろ」


 『、、、』


 コクリとうなずく


目「あんな治安の悪い場所

  一人で歩くとか何考えてんだよ

  お前みたいなちっこいやつなんか

  すぐ捕まえられて襲えるんだぞ」


 『、、、大丈夫だもん』


 そんな危機管理力ないわけないし


 少しイラっとして反論した


目「、、なら

  俺から逃げてみろよ」


 私の両手首をつかんで

 
 ドアに押し付ける


 『、、、っ』


 キッと目黒さんを睨みつけて


 全力で抵抗するけれどピクリともしない


 目黒さんは表情一つ変えず


 私を見下ろしている


 力加減してくれているはずなのに


 全くかなわない


 『ごめっなさい』


 ぽたぽたと涙がこぼれる


目「はぁ、、」


 私を押し付けていた手を離して


 解放されたと思いきや


 右腕を前に引っ張られ


 抱きしめられる


 『、、、グス』


目「ごめん、怖がらせすぎた」


 私をあやすように


 頭をなでてくれる


 1分ほどそうしてたら


 だいぶ落ち着いた


 『ごめんなさい、、』


目「わかったわかった

  とりあえず座って」


 私の手を引いてソファに座らせる


 目黒さんは私の前でしゃがむ


目「なんであそこに行ってたの」


 『、、店で話しかけてきた男が

  借金取りなんです

  少し前に見つかってしまって

  店で借金の分稼いだらそれでいいって

  言われたんです』


目「なんで俺になんも言わねえの」


 『あの男、目黒さんの事しってるんです

  私が変に動いたら

  目黒さんに迷惑かけてしまうから、、』


目「あのな、何も言われない方が迷惑だから」


 『え?』


目「お前だって、最初に俺に言ってれば

  こんなに怒られることなかっただろ」


 『、、、、』


目「俺がお前を拾ったんだ

  ちゃんとお前が独り立ちするまで

  責任もって面倒みるから

  わかったか」


 その言葉があまりにも嬉しくて


 また涙がでそうで言葉が詰まったから


 コクコクとうなずく


目「借金、後いくらあるの」


 『、、200万です』


目「わかった

  俺が明日あいつのところに持って行くから

  お前はもうあそこにはいくな」


 『そんなのダメですっ』


目「、、前にさお前を雇った時に調べたんだけど

  家政婦の年収って200万強らしい

  だから1年、ただで家政婦してくれたらそれでいいから」

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作者名:あぼかど | 作成日時:2020年1月22日 18時

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