10*side R ページ10
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Aが部屋に入って行ってから一時間。
元彼って言ってから様子がおかしかったし、多分元彼と嫌なことがあったんだろうなって思った。俯いたままだったからよくわからなかったけど、声が若干震えてたしもしかしたら泣いてるのかも。
心配だし何度か声をかけに行こうとしたけど、なんとなく放っておいて欲しいかなって思っていけなかった。こういう時、てつやだったら大丈夫か〜?って聞きに行くんだろうな。幼なじみは強い。
Aとは、高校が同じで、てつやの幼なじみっていうのもあってよく一緒に過ごした。部活の応援にも来てくれたし、仲は良かったと思う。ていうか普通に好きだったし。でも部活とか受験とかでそれどころじゃなくて告白したりはできなかった。
それからAが東京の大学に進学して、就職も東京でしたっててつやから聞いた。元気かなって思うこともあったけど、向こうで一生懸命やってるんだろうなって連絡もほとんどしなかった。俺も忙しかったし色々と。
Aは、東京にいるってずっと思ってたから、駅前で会った時は超びっくりした。嘘でしょ?って思ったし、話しかけて久々に見た顔は元気なさそうだったし、これはもう放っておけないなって思った。
一か八かの賭けで家に来ない?って聞いたけど、きっとAはてつやを選ぶだろうなって思ってたから正直すごい嬉しくて、なんていうかとにかくかわいくて甘やかしたい衝動に駆られるんだよね不思議なことに。
さて、そろそろ様子を見に行っても平気かな。そう思いながらAが逃げ込んだ部屋のドアを開けた。
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花(プロフ) - ななさん» 温かいお言葉ありがとうございます!拙い文章ではありますが、続けて書いていけるように頑張りたいと思います! (2019年4月23日 23時) (レス) id: 20c6cc5c87 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 初めまして!素敵な読み物ありがとうございます(*'▽'*)これからも作者さんのペースで投稿待ってます…! (2019年4月22日 19時) (レス) id: 52db76b921 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花 | 作成日時:2019年4月13日 20時