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さて件の黄色いクマと一緒にりょうくんのお家にやって来ました。ここがしばらくの間わたしが居候させていただくお家ですよ。綺麗だし広いしとってもおしゃれ!さすがりょうくん。
「Aの荷物は大体部屋に運んでおいたけど、片付けとか手伝うことあったら言って」
「ありがとうりょうくん」
「この家にあるもの全部好きに使っていいから」
「神様仏様〜」
「それはもういいから」
部屋に入って黄色いクマはベッドの上へ。さて何から片付けようかな。とりあえず今日必要なものだけ出して、あとは明日にしようとか思ってる私がいます。なぜなら!ほぼ徹夜して!眠いからです!
「Aー?ちょっと来て」
「どうしたの」
「今からこの家の案内ツアーするから」
「ツアー?」
「そう。はいじゃあ着いてきてね」
え?りょうくんかわいすぎでは?案内ツアーだってなになに一気に眠気覚めたよかわいすぎて。はいこっちがトイレー、こっちはお風呂ねって説明してくれるりょうくんのあとをついていく。
「で、ここが俺の寝室」
「りょうくんのお部屋はきれいだね」
「誰と比べて?てつや?」
「てっちゃんと比べたらほとんどの人のお部屋がきれいになっちゃうよ!あのね、うちのお兄ちゃんもあんまり整理整頓得意じゃないからよく掃除手伝ってたんだ」
「なるほどね。そっかそっか。お兄さんならしょうがないか」
「なにがしょうがないの?」
「元彼の話だったらちょっとやだなって思っただけ」
元彼。思い出したくないくらいひどい別れ方をしました。浮気されて馬鹿にされて初めての彼氏だったのに悲しい思い出ばっかり。東京からこっちに戻ってきた理由もその元彼が原因だったりして。うーーー思い出したくない。別れて2年経ってもまだ腹が立つし、泣きそうになるから。元彼ってワードが私にとっては地雷すぎて、りょうくんの顔見れなくなっちゃった。
「A?どうかしたの俺変な事言った?」
「ううんりょうくんは悪くないよごめんね」
「こっち見て」
「いまちょっと無理ごめん」
見れない。だって泣いちゃうもん。いきなり泣き出した変なやつって思われたくなくて、大丈夫?って心配してくれてるりょうくんを無視して自分の部屋に逃げ込んだ。正確にはりょうくんのお家だから私の部屋っていうのは違う気もするけど。
ベッドの上で黄色いクマを抱えて寝転がる。あ、涙でた。もういっかきっとりょうくんは放っておいてくれるはず。
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花(プロフ) - ななさん» 温かいお言葉ありがとうございます!拙い文章ではありますが、続けて書いていけるように頑張りたいと思います! (2019年4月23日 23時) (レス) id: 20c6cc5c87 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 初めまして!素敵な読み物ありがとうございます(*'▽'*)これからも作者さんのペースで投稿待ってます…! (2019年4月22日 19時) (レス) id: 52db76b921 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花 | 作成日時:2019年4月13日 20時