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あらかた荷物も運び終わって、あとは小さな荷物だけになったところで少し休憩。りょうくんのおかげですいすい進んだ引越しイベント。ほんと頭が上がらないですりょう様仏様。
「じゃあそろそろ行こっか。忘れ物ない?」
「大丈夫」
「それそのまま持ってくんだ」
「だめ?」
「いいよ」
それ、そう言ってりょうくんが指したのはわたしが抱えている黄色いクマの大きいぬいぐるみ。赤い服を着て蜂蜜が大好きな黄色いクマ。この子は私の宝物で、高校生の時から一緒にいるからかれこれ8年くらいの長い付き合いだ。さてここで問題です。どうして私がこの黄色いクマをこんなに長期間大切にしているのでしょうか!はい!簡単ですね!
りょうくんがUFOキャッチャーで取ってくれたからです!!!好きな人がくれたものだよ?大切にする以外の選択肢ある?
箱に詰めるなんてかわいそうなことは出来ないから、抱えてお引越しですよ。そんな私をみてりょうくんは子供みたいだねって笑ってる。どうせ子供ですよーだ。ていうかりょうくんこの黄色いクマのこと覚えてないんだちょっとさみしい。
助手席に座る。もちろん黄色いクマは抱えたまま。私にとっては大事な思い出なんだけど、りょうくんにとってもそうとは限らないもんね。忘れちゃったよね。そっかそっか。はい、私全力で拗ねてます。
「はいじゃあ出発するよ」
「お願いします」
ぐって黄色いクマに顔を埋めてたら、隣からりょうくんの手が伸びてきて私のあたまをぽんぽんと撫でた。くそうきゅんとするじゃないか。
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花(プロフ) - ななさん» 温かいお言葉ありがとうございます!拙い文章ではありますが、続けて書いていけるように頑張りたいと思います! (2019年4月23日 23時) (レス) id: 20c6cc5c87 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 初めまして!素敵な読み物ありがとうございます(*'▽'*)これからも作者さんのペースで投稿待ってます…! (2019年4月22日 19時) (レス) id: 52db76b921 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花 | 作成日時:2019年4月13日 20時