Mellow

37 ページ37

*



飲み会の日から数日が経ったけど、特にあれから田中さんに声をかけられることはなかった。まぁ、私が全力で避けて避けて避けまくって超警戒してるからなんだけど。努力のたまもの！


田中さんのことさえなければ今まで通り、穏やかな気持ちでお仕事できるはずなのに、実際はそうでもなかったりして。

というのも、女性社員のみなさん冷たくないですか？


2年前に東京からこっちに戻ってきて、この会社に中途採用してもらった。人付き合いはそんなに得意じゃないけど、なんとか馴染めるように自分なりがんばった。会社外で遊ぶほどの関係ではないけど、それなりにみんなと上手くやってきたつもりだったのにこれは一体なんでしょう？


見事に挨拶はスルー。わたしのおはようを受け取ってくれるのは、上司と後輩くらいで、数名いる女の子たちは聞こえないふりしてるじゃありませんか。飲み会の日までは普通にお話してたのに。何これ辛い。


ひそひそと見えるように内緒話。これだから女子は！なんか高校時代を思い出す。





私が高校の時、女の子同士数人で仲良くしてるグループがあってそこにわたしもいた。私たちずっと友達だよ！なんて言って、毎日楽しく過ごしてた。けど、突然みんなから無視されるようになって、行き場がなくなって、そしたらてっちゃんがそんな奴らほっといて俺らといればいいじゃんって一緒にいてくれるようになった。りょうくんもとしくんもゆめまるも。みんながいてくれたから、私は楽しく高校時代を生き抜けた。


ちなみにその時どうして無視されるようになったのか後でわかったんだけど、なんだと思う？ひどいよ？グループの中の一人の子が思いを寄せてた男子に告白したら、好きな人がいるから無理って断られて、なおかつその好きな子が私だったって話。なんだよなんだよ、私はその男子のことなんてみじんこほども好きじゃなかったっつーの！！！それこそりょうくんが好きだったわ！！！



なんかとりあえずため息しか出ない。
嫌なこと思い出したらもっと嫌な気持ちになった。とりあえず仕事しよう



→

38→←36

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す