Mellow

25*side R ページ25

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仕事で東京に行って帰ってきてから、Aの様子がおかしかった。挙動不審で絶対何か隠してる。元気もない。仕事で何かあったのかと思って聞いてみたけど、なんでもないの一点張り。


今日の撮影一緒に来るって言ってたのに、直前で用事があるって断られた。


Aって、何も言わずにため込んじゃうからな。心配だけど、話してくれないことにはどうにも出来ないし。


「虫さん、おはよう」

「あれ？Aちゃんは？」

「なんか用事あるんだって」

「りょうくんに内緒の用事？」

「急いでるから！って行っちゃった」

「へぇ。それで、りょうくんはなんで心配でしょうがない顔してるの」



さすが虫さんするどい。俺そんなに顔に出るタイプじゃないんだけどな。
この所様子がおかしかった話を虫さんにすると、Aちゃん隠し事下手そうなのにねって言われた。確かに。Aが考えてることなんて、大体わかるはずなのに今回ばかりはなんもわかんない。



「Aちゃんがりょうくんに言いたくないことかー。まぁ、僕にわかるわけないんだけどさ」

「一人でなんか解決しようとしてる感じなんだよね」

「そういえば、こないだゆめまるがAちゃんに会ったって言ってたよ。聞いてみるか」



ゆめまるに会ったなんて、Aは言ってなかったな。別になんでも報告しろなんて思ってないからいいんだけどね。



「ゆめまる、Aちゃんに会った時なんか変なところなかった？」

「んー普通だったと思うけど」

「Aとなんの話したの？」

「りょうくんのところにいるんだってねって話して、あとは早くいい部屋見つかるといいねって言ったかな」

「……それだ」

「え？俺なんかまずいこと言った？」

「いや大丈夫」




間違いない。Aは、住むところ探してる。虫さんもそれに気付いたみたい。馬鹿だなぁ。別に出て行って欲しいなんてほんのちょっとだって思ってないのに。むしろいてほしいし。



「りょうくん、どうするの？」

「ちょっと行ってくる」

「てつやもとしみつもまだ来てないし、問題ないんじゃない？」

「ごめん虫さん上手く言っといて」

「了解。Aちゃん連れて戻っておいで」




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