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目が覚めたら、お布団がかかってて、自分でかけた記憶はないからきっとりょうくんだ。ていうか今何時私どのくらい寝てたんだろう。寝るつもり無かったのにな。ごめんねりょうくん。
時計はまだないからバッグに入れたままの携帯を取り出す。うひゃあ帰ってきてから約三時間が経過。時刻は夜の九時を少し過ぎていた。
早くリビングに行ってりょうくんにごめんなさいをしようって思うのに、なんだか気まずくて部屋を出る勇気がないのですどうしよう。でもずっとこうしてるわけにもいかないし、覚悟を決めてドアを開いた。
「りょうくん?」
リビングに、りょうくんはいなかった。
お部屋かなって思って勇気を振り絞ってノックしてみたけど、返事はなくて、玄関まで行ってりょうくんの靴がないことに気付いた。
出かけてるのかな。ちょっとさみしいなんて思ったり思わなかったり思ったり。リビングに戻ってソファに体育座りをしてりょうくんの帰りを待っていたら、ガチャっと玄関の方から鍵が開く音がした。
「ただいま」
「…おかえりなさい」
「さっきはごめん。何も知らないでAに嫌な思いさせちゃって」
「私こそ突然逃げてごめんなさい!あのね、ちょっと昔元彼とは色々あって」
「いま無理に話さなくていいよ。また泣きそうな顔してる」
「ん、あとでにする。ありがとうりょうくん」
Aの気持ちが落ち着いた時でいいからねってりょうくんが頭を撫でてくれた。最初はね、きゅんとするなこのやろうって思ってたんだけど、今はなんかすごい落ち着く。
「なににやにやしてるのA」
「りょうくんの手好きだなって思って」
「撫でやすいよねちっちゃいから」
「それは聞き捨てならないな」
「撫でて欲しい時はいつでも言ってよ」
「撫でてって言うの?」
「言わなれなくても勝手にするけどね」
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花(プロフ) - ななさん» 温かいお言葉ありがとうございます!拙い文章ではありますが、続けて書いていけるように頑張りたいと思います! (2019年4月23日 23時) (レス) id: 20c6cc5c87 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 初めまして!素敵な読み物ありがとうございます(*'▽'*)これからも作者さんのペースで投稿待ってます…! (2019年4月22日 19時) (レス) id: 52db76b921 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花 | 作成日時:2019年4月13日 20時