青パト番外 ゴーストガールと野良時代 ページ7
※アバター名のみ変換有り
ビルにもよく似た廃墟だらけの建物が立ち並ぶ路地を抜けた裏。SOL社が立ち入り禁止区域と指定するその場所でゴーストガールは静かに息を吐いた。
「集合時間はとっくに過ぎてるわよ」
一人、仁王立ちで呟いた瞬間。彼女の目の前に婦警姿の女が一人。つま先から徐々に組み合わされていくように、現れた。何とも機械的な登場仕方だ、まるで本当にAIなんじゃないかと思わせるような表れ方。前に立つゴーストガールを見て、コスプレのようなミニスカポリス服を着たメルバはゆっくり微笑んだ。その姿は、蕾がほころんだように美しく。綺麗な笑みにゴーストガールも思わず見惚れる。ピンク色の唇を開き、紡がれる声は小鳥のさえずりと言うにふさわしい、何とも可愛らしい音だった。
「ごめんなさい、少しほかの依頼も立て込んでたの」
眉を下げ、困り顔で謝るメルバ。今日はゴーストガールの依頼で、数日前から調べあげた情報を彼女にお金と引き換えに上げ渡す期限日。ゴーストガールのまぁいいわ、という声にメルバはありがとうとお礼を言うと、手の中から電子プログラムで構成されたカードにも似たデータを取り出した。
「入金は既に確認済みです。こちらがその対価、どうぞお受け取りください」
「あら、ありがとう。仕事が早くて助かるわ」
「いえいえ、私の腕が貴方様のお力に慣れたなら幸いです」
微笑むメルバとゴーストガールの間に、ゆらゆらとふたりの髪を揺らすそよ風が吹く。寂れた廃墟からぼろぼろと崩れ落ちて出来た砂塵がウザったらしく、ゴーストガールは髪を一房、耳にかける。
「私がどうしてあなたに依頼したか知ってる?」
「私の噂を聞きつけて、だと思ったのですが違うのでしょうか?」
「それもあるわ。仕事を完璧にこなしてくれる人は好きよ。でもね、それだけじゃないの」
「では、どうして?」
「私自身、あなたに興味があるのよ」
メルバが驚く姿を彼女が嬉しそうに目を三日月型に細める。誰も知らない、誰もが知りたがるメルバという凄腕ハッカーの正体。気になることを暴きたがるのは電脳トレジャーハンターの真髄というもの。
「あなたは誰なの?」
「…貴方は電脳トレジャーハンターなのでしょう?ゴーストガール。気になるなら私が誰か探せばいい」
それが貴方たちの役割でしょう?
くつくつと口元に手を当て笑うメルバ。その挑発、受けて立とうじゃない。ゴーストガールのその言葉と同時に、ふたりの髪を揺らす風が強く吹いた。
ブルエンがネナベ垢と付き合っている→←空アル番外 体育祭ss 後編
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しゅりんぷ(プロフ) - 凌さん» リクエストありがとうございます。了解しました。小説が出来次第上げさせていただきます。 (2021年10月5日 2時) (レス) id: fea4bb2672 (このIDを非表示/違反報告)
凌 - play maker側の女主人公がリボルバーに奪取され愛されるお話をお願いします。 (2020年10月9日 10時) (レス) id: 0f75895f1e (このIDを非表示/違反報告)
しゅりんぷ(プロフ) - ねこみこさん» リクエストありがとうございます。ハノイの女子隊員リア凸了解しました。出来次第随時更新させていただきます。これからもどうぞこの小説をよろしくおねがいします。 (2018年10月13日 18時) (レス) id: 9546177262 (このIDを非表示/違反報告)
しゅりんぷ(プロフ) - 加藤琉那さん» リクエストありがとうございます。了解しました。小説が出来次第上げさせていただきます。 (2018年10月13日 18時) (レス) id: 9546177262 (このIDを非表示/違反報告)
ねこみこ(プロフ) - リクエストさせていただきます。遊作とハノイの女子隊員のリア凸で (2018年7月22日 13時) (レス) id: 185c2ad794 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゅりんぷ | 作成日時:2017年10月6日 22時