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第42夜 ページ42

(朝霧side)

家族を失った。
雨月さんを失った。
御館様を失った。
煉獄を失った。
胡蝶を失った。
多くの仲間を失った。

この四十年間で多くの死を見てきた。


それでも尚生きている自分が憎かった。

もしもあの時、俺が判断を誤っていなければ

もしもあの時、俺が技を出さなければ

雨月さんは生きていたのかもしれない。
俺はこんな体にならずに済んだのかもしれない。

「なん、で……」

再び生き返った時にどれほど死を望んだだろうか。
馬鹿らしくも俺は死を渇望した。
永遠を生きることになったこの運命を酷く恨んだ。

仕舞いには実験に関わった人を狂ったように1人残さず殺した。
同じ悲劇を起こさない為、と言ったら飛んだ綺麗事だ。
殺してしまわねば気が済まなかった。

鬼よりも残酷な事をした。

皆の手より、俺の手は酷く紅く、そして酷く黒い。

そんな俺を再び前当主・産屋敷耀哉様が鬼殺隊へと迎え入れた。

極力仲間を避けた。

しかし、次第に皆歩みよってくる。
気がついた時には、かけがえのないものになっていた。


事実を知っても、受け入れてくれた。

この場所を。

俺はもう失う訳には行かない。

「全集中……光の、呼吸。」

未だに必死に己を生かそうと蠢く傷を気にせずに刀に手を伸ばす。

深く、深く、息を吸い込む。

雨月さん。
いくら言葉を、行動を真似ても、貴方に俺はなれない。
アンタには及ばないんだ。

「拾ノ型ッ_____黎明ッ!!」

氷で出来た菩薩を黎明を利用して一部を砕き、ほんの少しだが道を開ける。

「行け!!お前らにしか出来ねェ!!」

ただ、アンタが俺にしてくれたことを、俺もしていくんだ。

□作者より□
この度少しだけ謝罪させてください。
38夜辺りより、原作との矛盾が生じていました。
童磨戦後に鳴女との遭遇を、先に遭遇させていました。
大変申し訳なく思います。
訂正した事により話の大きな変更はございません。

また、童磨戦を書き終え次第、話の構成がまだ考え終わっていないため、暫く番外編を書く予定でいます。

読者の皆様にはご迷惑をおかけするかもしれませんが、ご理解賜りますようお願い申し上げます。

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天麩羅 - わわわ更新されてるぅぅううう!! (2020年3月15日 22時) (レス) id: eb9a0c61ed (このIDを非表示/違反報告)
天麩羅 - わぁーーーぁああああ!面白いぃぃぃぃいいいい!更新頑張って下さいぃいい!! (2020年3月14日 22時) (レス) id: eb9a0c61ed (このIDを非表示/違反報告)
小坂谷 真夜(プロフ) - いおりさん» ありがとうございます。そのようなお言葉本当に嬉しい限りです。 (2020年2月1日 22時) (レス) id: 79a8fd2e1c (このIDを非表示/違反報告)
いおり - めっちゃどタイプの小説きたーーーっ、これからも期待して待ってます。更新頑張ってください (2020年1月12日 14時) (レス) id: bce55b4438 (このIDを非表示/違反報告)
小坂谷 真夜(プロフ) - mo4さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。 (2020年1月12日 13時) (レス) id: 79a8fd2e1c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小坂谷 真夜 | 作者ホームページ:@lotus_1022  
作成日時:2019年9月9日 22時

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