第16夜 ページ16
朝霧は本来の目的である己の刀を取りに来ていた。
共に夕食を食べようと甘露寺に誘われたがどうも人前で食事をするのは未だ慣れず、なんとか理由をこじつけ、抜け出してきたところだった。
「おや?朝霧殿ではないですか。なんと珍しい。お目当ては刀ですな?」
「どうも。鉄穴森さん。」
刀鍛冶の家を探していると、朝霧はバッタリと刀鍛冶の一人、鉄穴森に会う。
鉄穴森は朝霧の刀鍛冶の旧友であり、何度か顔を合わせていた。
「すみませんね、アイツの方から本来ならば出向くべきなのに。」
「別に気にしてませんよ。」
鉄穴森は朝霧に刀鍛冶の家を教えると、女房が待っていると言って去っていった。
「朝霧涼雅だ。刀を取りに伺った。」
家に着くと、扉を叩き声をかける。
が、何分経っても返事が返ってこない事に朝霧は眉をひそめた。
「ずんだ餅。」
朝霧のたったその一言。
そのよく意味の分からない一言に反応したのか、バタバタと、ツカツカと音が聞こえる。
どうやらこの屋敷の刀鍛冶は松葉杖をついているようだった。
「俺のずんだ餅!」
扉が勢いよく開けられると、そこには他の皆と同じお面をつけた男が松葉杖をついて立っていた。
「刀を取りに来た。」
「朝霧じゃねぇか。俺のずんだ餅は?」
「刀が先だ。」
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天麩羅 - わわわ更新されてるぅぅううう!! (2020年3月15日 22時) (レス) id: eb9a0c61ed (このIDを非表示/違反報告)
天麩羅 - わぁーーーぁああああ!面白いぃぃぃぃいいいい!更新頑張って下さいぃいい!! (2020年3月14日 22時) (レス) id: eb9a0c61ed (このIDを非表示/違反報告)
小坂谷 真夜(プロフ) - いおりさん» ありがとうございます。そのようなお言葉本当に嬉しい限りです。 (2020年2月1日 22時) (レス) id: 79a8fd2e1c (このIDを非表示/違反報告)
いおり - めっちゃどタイプの小説きたーーーっ、これからも期待して待ってます。更新頑張ってください (2020年1月12日 14時) (レス) id: bce55b4438 (このIDを非表示/違反報告)
小坂谷 真夜(プロフ) - mo4さん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです。 (2020年1月12日 13時) (レス) id: 79a8fd2e1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:小坂谷 真夜 | 作者ホームページ:@lotus_1022
作成日時:2019年9月9日 22時