FILE275:ひったくり/沖矢side ページ33
『沖矢さん、そろそろ観覧車に乗りませんか?』
「そうですね、それじゃあチケットを買いに…」
沖矢さんがそう言って立ち上がると、こちらをジッと見つめてきた。
『沖矢さん?私の顔に何か付いてます?』
「あぁ、いえ。付いてませんよ。ただ…」
『ただ?』
「またあの男達が貴女を連れ去ってしまわないか不安で…」
『大丈夫ですよ!あんな事二度も起こりませんって!』
「…そうだな」
「ひったくりだー!!あっちに逃げたぞ!」
「!?」
沖矢さんが声のした方へ視線を向けたがその場から動かなかった。
『お、沖矢さん?』
いつもの沖矢さんなら走ってすぐに犯人を制圧しに行くのに…。もしかしてさっきの事があったから私から離れられないの?
『沖矢さん、行ってください!』
「しかし…」
『私なら大丈夫ですから、犯人を捕まえて来てください!』
「…ああ、分かった。すぐに戻る、そこから動かないでくれ」
沖矢さんはそう言うと犯人が逃げて行った方へと走って行った。
『…はぁ』
なんか工藤くんと蘭ちゃんみたいだなぁ。まあ赤井さんは事件より私を優先しようとしてたけど…。
早く解決して戻って来てくださいね。
沖矢side
『沖矢さん、行ってください!』
「しかし…」
彼女を置いては…。俺のそんな思いが通じたのか、自分は大丈夫だから犯人を捕まえて来てくれと言った。
「…ああ、分かった。すぐに戻る、そこから動かないでくれ」
俺は走り出すと犯人の逃げた方向へと向かった。
・
・
・
・
・
「痛ててて!」
「観念するんだ。もう逃げられない」
犯人を取り押さえ、取られた盗品を持ち主に返した。
「後は警察が来るのでもう大丈夫ですよ」
「あ、ありがとうございます!あの、良かったら名前を…」
「いえ、お気になさらず。私は沖矢昴と申します」
犯人を追いかける為に随分と遠くの方まで来てしまったな。
「へぇー…お兄さんすごいなぁ」
さっきのひったくり騒ぎで集まった客の一人に後ろから声をかけられた。
「いえ、そんな事は…おや、貴方は…」
沖矢side終
944人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
もちもちアイスクリーム(プロフ) - え、めっちゃ最高でした!! (4月8日 12時) (レス) @page50 id: aa5605d5a8 (このIDを非表示/違反報告)
なみ太郎(プロフ) - karionさん» コメントありがとうございます(^。^)次回作は安室さんです!いろんな案が出過ぎているので悩み中…。割とキャラが病んでる描写が好きなのでキャラ崩壊ありかもです。 (5月11日 6時) (レス) id: bce4419484 (このIDを非表示/違反報告)
karion(プロフ) - 面白かったです!自分飽きるのが早いので最後まで読むことが少ないんですけど久しぶりに最後まで楽しく読む事が出来ました!次回作も楽しみです‼︎ (2023年4月30日 13時) (レス) @page49 id: d59aca9a13 (このIDを非表示/違反報告)
なみ太郎(プロフ) - えくれあさん» ありがとうございます!最終回の終わり方は一話の時から決めてたのでやっとって感じです!次回作も頑張ります! (2022年5月1日 12時) (レス) id: 9f82d8cbd4 (このIDを非表示/違反報告)
えくれあ(プロフ) - 最後の終わり方いいですね〜!完結お疲れ様でした!次回作も頑張ってください、応援してます!ワクワクです笑 (2022年5月1日 0時) (レス) @page50 id: 1e601cb38a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:なみ太郎 | 作成日時:2022年3月14日 14時