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この数日
ジナと触れ合って感じた
ジナは本気で俺のことが好きだ
別に自惚れなんかじゃない
言葉でも伝えてくれるし
俺に触れる時のしぐさや表情
全てがそう言ってるように感じた
そのジナが触りもしなければ
声も出さないなんて
先輩にもそうだったのか…?
“ Aだけ ”
不意に昨日の言葉が頭を過って
窓の外のジナと目が合った
『っ…』
心臓が小さく音を立てて跳ねる
窓を隔てて声も届かないような距離なのに
無いものにするかのようなジナの視線
目が離せなかった
な、何なんだよ…っ
大きく音を立て始める心臓には気付かないフリ
相変わらず視線を絡ませたまま
ジナが何かを話すようにゆっくり唇を動かした
その動きを目で追う
『ッ!!』
言い終わると最後に笑顔を見せた
その笑顔と唇の動きだけで表した言葉を理解し
反射的に目を逸らした
あいつ、絶対わざとだ…ッ
一気に顔が熱をもっていく
SG「あ、」
先生が洩らした声に反応して顔を上げると
『っ!!!』
ジナの腕を掴んで顔を寄せる女の子と
驚いた表情のジナ
顔の熱が一瞬にして冷めていった
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作者名:HEKi | 作成日時:2023年5月14日 23時